農業
大門じんがんなわ保存会長
増田 精一氏(83歳)
西保木間二丁目在住
肩書に、「農業」と誇らしげに書かれた名刺を持つ人がいる。長年、区教育委員長、区国際親善協会理事長などを務めた増田精一氏である。現在、自宅周辺の水田を子どもたちに解放し、田植えから収穫までを体験させている。純粋な小学生時代の、思い出のひとつとして記憶してほしいと願う。人が自由に移動する現在、生まれ育った場所だけが故郷ではないという思いから、増田氏は「人生の中に故郷がある」という「地球ふるさと」論者。自身も約5年にわたる海外生活体験と、36カ国の海外訪歴を持つ。
増田氏は、昭和16年に「東京府青少年団北満派遣隊足立区代表」として韓国・中国東北省各地を訪問。28年には「派米農村青壮年実習団東京都代表」としてカリフォルニアに約1年滞在。それらの実績が買われ、31年から2年間と42年から2年間の合計4年間、コロンボ計画に基づく「第一次日本農業使節団」の農業専門家として、東パキスタン(現バングラデシュ)で技術指導を行った。
実体験からの「地球ふるさと論」
指導者側は常に特権階級として振る舞いがちだが、増田氏ら4人の技術者は、電気も清潔な水もない現地で、農民側に立った指導を心がけた。一方的な押し付けではなく、現地の農業を徹底的に調べ、日本式の良い部分を加える方法で農民たちとの信頼関係を結び、成果へと結び付けた。この記録は「東パキスタンの大地に挑む」(新風書房刊)という著書になっている。「お会いした人すべてが私の師」と考える増田氏の、人との巡り会いも素晴らしい。松下幸之助氏の「私自身、全従業員や会社のことを月に何度も寝ずに考えている日本一の労働者だと思っています」との言葉は、増田氏の心の中に宝物として生き続けている。
そんな夫を見守る妻の玉枝さんの笑顔が、陽だまりのように温かい。
大門じんがんなわ保存会長
増田 精一氏(83歳)
西保木間二丁目在住
肩書に、「農業」と誇らしげに書かれた名刺を持つ人がいる。長年、区教育委員長、区国際親善協会理事長などを務めた増田精一氏である。現在、自宅周辺の水田を子どもたちに解放し、田植えから収穫までを体験させている。純粋な小学生時代の、思い出のひとつとして記憶してほしいと願う。人が自由に移動する現在、生まれ育った場所だけが故郷ではないという思いから、増田氏は「人生の中に故郷がある」という「地球ふるさと」論者。自身も約5年にわたる海外生活体験と、36カ国の海外訪歴を持つ。
増田氏は、昭和16年に「東京府青少年団北満派遣隊足立区代表」として韓国・中国東北省各地を訪問。28年には「派米農村青壮年実習団東京都代表」としてカリフォルニアに約1年滞在。それらの実績が買われ、31年から2年間と42年から2年間の合計4年間、コロンボ計画に基づく「第一次日本農業使節団」の農業専門家として、東パキスタン(現バングラデシュ)で技術指導を行った。

実体験からの「地球ふるさと論」
指導者側は常に特権階級として振る舞いがちだが、増田氏ら4人の技術者は、電気も清潔な水もない現地で、農民側に立った指導を心がけた。一方的な押し付けではなく、現地の農業を徹底的に調べ、日本式の良い部分を加える方法で農民たちとの信頼関係を結び、成果へと結び付けた。この記録は「東パキスタンの大地に挑む」(新風書房刊)という著書になっている。「お会いした人すべてが私の師」と考える増田氏の、人との巡り会いも素晴らしい。松下幸之助氏の「私自身、全従業員や会社のことを月に何度も寝ずに考えている日本一の労働者だと思っています」との言葉は、増田氏の心の中に宝物として生き続けている。
そんな夫を見守る妻の玉枝さんの笑顔が、陽だまりのように温かい。