足立朝日

佐野いこいの森復活大作戦

掲載:2007年1月5日号
◆◇佐野いこいの森復活大作戦
中川北小がスダジイを育成中

 佐野いこいの森(佐野1‐31)を再生する活動が、ボランティアや子どもたちの手で進んでいる。
 同森は都内でも珍しい屋敷林で、400年の歴史を持つ。区の保存樹林1号に指定され昭和62年から一般公開されてきたが、樹木の繁茂やゴミの不法投棄などで近年は鬱蒼と暗いイメージが強かった。区では一昨年閉鎖し(今は水・日曜のみ開園)、再生計画を始めた。
 緑の協力員やNPO「足立花と緑の会」(横田正実代表)などボランティアが、枝の間伐やゴミ拾いで整備。樹木医の古谷信さん(花畑五丁目)の提言で、スダジイの植樹が決まった。森の中の氏神の側に古木の切り株があったことや、中川沿いの屋敷林の主要樹という調査結果による。それが今では、マテバシイに押されつつあるという。
 中川北小学校(沼野みどり校長)では、古谷さんと花と緑の会の協力で、一昨年から復活作戦をスタート。2期目の今年度は、昨年10月に1年生が森でドングリを拾った。「きのこがいっぱい!」など森との触れ合いを楽しんだ後は、ドングリを水につけて虫退治をし、11月にポットに植える作業を行なった。大切そうにドングリを植える子どもたちの姿に、沼野校長は「自然環境に触れられ、郷土の史跡を守る心も育てる」と期待する。
  前年に植えた実は夏前に発芽し、2・3年生の手で苗を大きいポットに植え替える作業が行われた。今秋、地域の人たちと育った苗を森に還す植樹祭が行なわれる。


森の中でドングリひろい