足立朝日

足立区民生・児童委員協議会 第二合同佐野地区会長 関根 眞教さん

掲載:2006年5月5日号
足立区民生・児童委員協議会
第二合同佐野地区会長
関根 眞教さん
大谷田一丁目在住

 区内一高い保存樹のイチョウを擁する「常善院」。その住職のかたわら、民生・児童委員を務めて38年。佐野地区対委員、都社会福祉協議会評議会理事などを歴任し、現在は民生・児童委員協議会第二合同佐野地区会長を務める。長年の社会福祉活動により昨年11月、瑞宝単光章を受章した。
 生活保護を必要とする人々と福祉のパイプ役となる民生委員の仕事は、時間的にも精神的にも負担が大きい。関根さんは社会の構造的な問題に無力感を感じ、相手の目線に合わせることの難しさも痛感してきた。「心の平等ほど難しいことはない」と言う。

心の平等の難しさ
 長年の奉仕を支えてきたものは何だろうか。「強い信念があったというのではない。無報酬でよくやっていると感心されたこともあるが、健康でたまたまお寺だったから出来たこと」。決して謙遜だけではない。「こういう仕事は、これでいいということがない」とも。会話の端々に出る「大したことはしていない」という言葉は、福祉活動が関根さんにとって「特別なこと」でなく「当たり前のこと」だからこそだ。
 高齢化や少子化によって増えるであろう諸問題に、福祉の未来を憂う。「最近は民生委員のなり手が少ない。でも、見て見ぬふりはできない。誰かがやらないと」。団塊の世代に向けて「退職した後、第2の人生は社会のために、今までのノウハウを地域に役立ててくれれば」と、希望のメッセージを託す。
 現在、足立区仏教会会長職も務め、多忙な毎日を送る。抱負を尋ねると「今までお寺と民生の仕事で忙しくて、自分のことはしていなかった。任期が終ったら、旅行したり仏教関係の勉強をしたい」。趣味も特にないという関根さん。「もっと面白い生き方もできたんだろうけど」と苦笑する。生真面目な姿勢から、人への真摯な想いが伝わる。