足立朝日

第十四中生 足立朝日で 記者体験

掲載:2018年10月5日号
 第十四中学校(西竹の塚1-8-1/難波浩明校長)2年生の菊地亮佑さん、澁谷優作さん、志水隆星さん、三上怜弥さんが9月26日(火)、職場体験の一環として、足立朝日新聞で記者体験をした。
 緊張感でいっぱいの中学生記者初の取材は、「足立の学童疎開を語る会」会長で、㈱キジマの木嶋孝行代表取締役会長(ピープル参照)。昭和20年、長野県に集団で学童疎開をした木嶋会長は、耐え難い空腹感、身体にたかるシラミ、家族に会えない寂しさなどの厳しい生活に触れた。離れには木嶋会長が制作した「疎開先の模型」があり、4人は当時の様子に想いを馳せた。木嶋会長は「学童疎開で得た忍耐力」をもって自社を発展させたプロセスを語り、中学生記者に「好奇心の大切さ」を強調した。
 その後、自社のパーツ研究現場に案内された4記者は、名立たるバイクの至る箇所に、同社のパーツが採用されていることを知り、さらに初めて見る国内外の堂々たる大型バイクの格好良さに目を輝かせた。
 午後は「きものひらさわ」の平澤建二社長を取材(後日詳細掲載)。まずは、和室いっぱいに飾られた着物の数と美しさに、中学生記者一同息を呑んだ。
 平澤社長もまた、学童疎開の体験者。級長として仲間をまとめる立場であったが、あまりの空腹と家族恋しさに脱走を図った仲間の手助けをして、厳罰を受けた話や、女性・子ども・高齢者が多く巻き込まれた戦争体験などに触れ、「戦争の悲惨さ、不条理さ」を訴えた。
 脊髄の手術による後遺症を抱えながらも、平澤社長は長時間の取材に対応。中学生記者たちの目を真っ直ぐに見据えて「何が真実かを自分の頭でしっかり考えることが大切」と静かに訴えた。平澤社長の話に、4記者もまた背筋を伸ばして聴き入った。
 記者体験を終えた4人は、次のように感想を語った。▼菊地「現場を見て、相手の話をしっかり聴き取ることの大切さを学んだ」▼澁谷「戦争と平和について、自分できちんと考えなければいけないと思った」▼志水「相手の話の引き出し方を学んだ。大人の話はすごいと思った」▼三上「普段聞けない話を聞くことができた。長時間で大変だったが、良い体験をした」

写真上/木嶋会長制作の疎開先の模型前で
下/平澤社長の話に聴き入る(左から)三上・澁谷・菊池・志水記者