足立朝日

念願の施設誕生 地域との共生

掲載:2007年4月5日号
◆◇念願の施設誕生 地域との共生
地域に開放

 地域に溶け込むことをめざし、1階にある60人収容可能な会議室・地域交流コーナー「絆」は、地域に開放する(5月予定)。畳のステージやカラオケ、上映スクリーンも。篠原義臣施設長は「楽しんでもらうだけでなく、入所者も一緒に利用することで障害者の特性を知ってもらえれば」と話す。4~5人が入れるデイサービス用の風呂も開放する予定。
 また地域から職員を採用したほか、知的障害者を清掃業務に11人雇用。「法人が職員として雇うのは都内初では」と篠原施設長。「本人も自信がつくし家族も希望が持てる。将来的に一般企業にも送り出したい」としている。
「広がる笑顔」が願い
 玄関ホール正面で、たくさんの笑顔が描かれたモザイク画が出迎える。「障害者が地域と共に笑顔で生活できるように」のモットーを託し、ひまわり園祭で飛ばす風船をモチーフに、利用者56人の自画像をデザイン。陶芸教室講師の中村勝氏と、ディズニーランドのシンデレラ城内にあるモザイク画などを手掛けたモザイク作家・住野久美子氏が共同制作した。
「花むすび」が贈り物
 入所フロアの光庭で目を和ませてくれるのが、マーガレットとわすれな草の綺麗な花鉢。第十一中学校を拠点に活動している「通園・通学路花むすびネットワーク」(鈴木勝二代表)から寄贈された。「親元を離れて生活する人が、少しでも安らげる場に」とのことだ。


上=笑顔が描かれたモザイク画/
左=花むすびから寄贈された花鉢






竹の塚あかしあの杜
 社会福祉法人あいのわ福祉会が運営する身体障害者支援施設が、希望の苑の隣に開設した。長期入所施設は区内初。短期入所施設、身体障害者専門のホームヘルパー派遣施設が併設されている。
 玄関ホール正面を、油彩画家・宮本裕子氏(千住曙町在住)から寄贈されたイタリアの明るい風景画が飾る。「足立区肢体不自由者父母の会」が1年がかりで作った愛らしいつるし雛も、玄関横で親たちの想いを伝える。岸本美惠子理事長は「いろいろな方が支援して下さっているのがうれしいし、力をいただける」と開所の喜びを語った。
【竣工記念落成式】
  3月28日は両施設の落成式と祝賀会が、約25
0人の来賓を招いて開かれ、両理事長が感謝と喜びを込めて挨拶。鈴木恒年区長らが祝辞を述べた。計画当初は地域の反対もあった。各町会の説得にあたった渕江町会・自治会連合会の古庄孝夫会長らに感謝状が贈られた。