足立朝日

大きな柑橘類がプ~カプカ 区内5銭湯で「ぼんたん湯」

掲載:2019年2月5日号
 ハンドボールのような大きな柑橘類が、湯船にプカプカ……。ゆず湯ならぬ「ぼんたん湯」が、足立区の銭湯に登場する。
 ぼんたんの別名は文旦、ザボンなど。「ボンタンアメ」の原料と言えば思い当たる人も多いだろう。グレープフルーツを大きくしたような外見に、スポンジ状の厚い中皮が特徴だ。
 鹿児島県阿久根市の名産で、江戸時代に嵐によって同地に避難した中国船から伝来した。最盛期、ぼんたん農家は市内に550世帯あったが現在は30軒に減少、後継者がいる農家は4軒しかない。伝来地のぼんたん消滅の危機に、後継者と同市の地域おこし協力隊が立ち上がって「ぼんたんプロジェクト」を結成。昨年、鹿児島市の銭湯と協力して「ぼんたん湯」を実施したところ大阪へと波及し、2月6日を中心に都内の多くの銭湯でも実施されることになった。
 湯船に入れる個数は店舗ごとに異なるが、五反野駅近くの若松湯では岩風呂(普段は薬湯)に男女湯各10個ずつ。かなりインパクトのある光景になる。思わず笑いがこぼれて、温かい湯とともに寒さでちぢこまった体をほぐしてくれそうだ。もちろん爽やかな香りによるリラックスや血行促進などの効果もある。
 銭湯内での撮影は禁止なのでインスタ映えは狙えないが、自宅で入ることのできないユニークなぼんたん湯に、癒されに行ってみては。
〈実施銭湯・日時〉
▼曙湯(足立4‐22‐3、五反野駅徒歩5分、TEL3886・0706)=2月11日(月・祝)・12日(火)午後3~0時
▼岡田湯(関原3‐43‐2、西新井駅徒歩10分、TEL3886・3444)=2月16日(土)・17日(日)午後3時~11時45分
▼若松湯(中央本町2‐19‐11、五反野駅徒歩6分、TEL3886・5230)=2月27日(水)午後3~0時
▼タカラ湯(千住元町27‐1、北千住駅から徒歩20分もしくは東武バスで千住桜木町下車、徒歩5分、TEL3881・2660)=2月27日(水)午後3時半~11時半
▼ニコニコ湯(千住柳町2‐10、北千住駅からはるかぜバス「勝楽堂病院前」下車、TEL3882・6645)=3月3日(日)午後3時~0時半

写真上/阿久根市で収穫されたぼんたん
下/ぼんたん湯ポスター