足立朝日

東京都功労者表彰 ㈲「双葉屋」代表取締役 西新井本町四丁目在住 和島龍蔵さん(69歳)

掲載:2006年9月5日号
東京都功労者表彰 ㈲「双葉屋」代表取締役
西新井本町四丁目在住
和島龍蔵さん(69歳)

 昭和24年創業の有限会社「双葉屋」。生涯現役だった先代の啓蔵さんから、平成6年に事業を受け継いで代表取締役に就任した和島社長は、大手の製麺会社がシェアを伸ばす厳しい業界の中で、生き残りをかけて闘う。

元祖立ち食いラーメンが評判
 東京都製麺協同組合副理事長、同中央製麺連合会会長、同学校給食麺協同組合理事長、東日本学校給食麺組合連合会会長を兼任する和島社長は、組合に過去400社所属していた会社が、現在は減少方向にあることを憂える。学校給食の麺は、子どもたちの人気メニューだが、衛生管理面の規制がとくに厳しく、毎日の製品チェックに気持ちを休める暇がない。小麦粉から麺が出来上がるまで、どんなにオートメーション化が進んでも、最後の検品の過程は「人間の目」が威力を発揮する。これらを確実にこなせる若手社員の養成も、今後の課題のひとつとなる。
 マスコミで何度も取りり上げられた西新井駅ホームの「西新井ラーメン」は、双葉屋の麺。立ち食いラーメンは、ここが元祖で春日部、久喜各駅にも麺を卸す。あまりの評判に館林駅には直営店を設けた。「安心安全な麺づくり」をスローガンに掲げる和島社長は言葉を噛み締めるように話す。「冷凍麺などのシェアが広がり競争は激しいけれど、麺の消費量は減ってはいない。でも新たな設備投資ができるほど順調な業界ではない。アイデアで新商品を開発して勝負する。『やっぱり双葉屋の麺はおいしいね』と言われることが一番うれしくて生きがいになる」
  これら製麺業一筋の地道な仕事ぶりと、業界への貢献度が評価され、昨年10月1日に「東京都功労者」として、石原慎太郎都知事から表彰された。製麺業者では2人のみという快挙である。