足立朝日

餌を蓄えるチョウゲンボウ 荒川の鉄橋に営巣

掲載:2019年9月5日号
 西綾瀬在住の女性カメラマンY・Mさんから、ツミと同じ猛禽類で、荒川の鉄橋に営巣するチョウゲンボウの珍しい写真と観察日記が送られてきた。
 撮影は今春。誕生した5羽のヒナは、ツミより顔が丸く、大きなつぶらな瞳が印象的で、毎日会うたびにいやされた、とのこと。オスが餌となるスズメ、ミミズ、カナヘビ、オケラなどを獲って来てメスに渡し、そのメスがヒナに与えていた。メスが近くの草むらにオスから預かった餌を隠す(蓄える)場面があったそうだ。
 巣立ちが近づき、鉄橋の鉄骨につかまり、羽ばたきしているのを見ていると、「狭い巣から落ちるのではないかとドキドキでした」とMさん。案の定、数羽が落下。うち羽を骨折した1羽は、仲間の車で動物病院に搬送され、2か月後には元気になって放鳥されたという。
 Mさんは「来年、このチョウゲンボウに再会できることを楽しみにしています!」。
【メモ】チョウゲンボウは、全長33㎝(オス)、38㎝(メス)。ハヤブサの仲間。細い翼を速くはばたき、体を斜めにしてホバリングという空中の一点に静止する飛び方を交えながら、ひらひらした感じで直線的に飛んだり、急降下して昆虫やネズミなどの小動物を捕らえる。
 断崖に巣をつくるが、最近は都市部のビルや橋足といった人工工作物に営巣する例が記録されている。

写真上/Y・Mさん撮影のカナヘビをくわえるチョウゲンボウのメス
下/同チョウゲンボウのヒナたち