足立朝日

羅針盤 VOL.98

掲載:2019年11月5日号
 「綾瀬川の水が堤防を超える恐れがあったため、以下の地域を対象として、令和元年10月12日、午後9時34分に『避難指示』を出した。対象地域は、綾瀬川流域」(区の広報より)――。
 足立区に在住して半世紀となる小生にとって、「避難指示」なるものを受けたのは初めてだった。SNSのメール音が何回もけたたましく鳴った。強烈な風雨を伴う台風が東京を直撃した時の「恐怖」をまざまざと教えてくれた。
 当日、綾瀬川が氾濫しなかったのは、埼玉県春日部市にある「首都圏外郭放水路」、別名「地下神殿」のおかげだという。この地下水路は、付近を流れる中小5河川の水の一部を貯め、大型河川である江戸川に流すことで洪水を起こりにくくするためのもの。今回は東京ドーム約14杯の雨水を2日弱で排水したという。  
 わが足立区では、隅田川に近い千住関屋町で、1時間に50ミリの降雨に対応する大規模下水道施設「千住関屋ポンプ所」が来年3月末竣工目指し建設中だ。その掘削面積は4903㎡と日本一の規模で、先日もTVで紹介していた。
 大被害に合った区の校外施設がある千葉・鋸南町を始めとした各地の被災地に黙祷しつつ、防災への決意を固めたい。(編集長)