★①「スーパー便秘に克つ!」山名哲郎著/文藝春秋刊/1000円+税便秘症状で悩むと、通常は「食物繊維を摂る」「下剤を飲む」と考えるが、現在、それらが逆効果になる「スーパー便秘(直腸性便秘)」が急増している。
「強くいきまないと便が出ない」「残便感がある」などの症状がある場合は、この可能性が高い。その原因の1つは女性特有の「直腸瘤」。いきんだ時に直腸が膣のほうへポケット状に膨らみ、そこに硬い便が溜まる状態だ。
もう1つ、骨盤底筋の緊張により肛門が閉じてしまうために起こる「アニスムス」もスーパー便秘の一因となっている。
同書には、スーパー便秘かどうかを判断する検査方法、直腸瘤の手術方法・金額、骨盤底筋の鍛え方、排便時の姿勢、便通を良くするレシピ等、便秘で悩む人たちが知りたい情報が満載。
排便障害は、命に関わることではないゆえに、これまで医療のスポットが当たらなかった分野であることから、人知れず苦しむ人々が多い。大腸肛門外科医でありながら、あえて排便障害の診療に力を入れる山名医師の「日々の生活に支障が出ている患者の力になりたい」という強い想いが感じられる熱い本だ。
★②NHKきょうの健康「便秘と痔の悩みを解消 セルフケアと治療」山名哲郎監修/NHK出版/900円+税10代から始まる女性の便秘、幅広い年代で起こる男性の痔ろう、出産後にみられる直腸瘤や便失禁、男女共に中高年に増えるいぼ痔、大腸癌検査が必要な50歳以降の血便等、これらが一目瞭然のイラストが、まず目に飛び込む。
さらに、チェックリストにより、自分がどの種類の便秘・痔であるかも判断でき、人に相談できない切実な問題である「便失禁」の原因も理解できる。排便を促す運動もイラスト解説で解りやすい。
注目したいのは「受診が必要な時」の項目。痔・排便トラブルは決して恥ずかしいものではなく、かつ専門医の診察・処置で快適な日常生活を取り戻せるもの。
まずは同書で、自分の体について学びたいものだ。











