足立朝日

Vol.19桂春蝶独演会~召しませ!春蝶~

掲載:2020年1月5日号
上方落語の軽妙な語りを堪能

 春の公演に相応しく、「桂春蝶独演会~召しませ!春蝶~」が、かつしかシンフォニーヒルズ アイリスホールに登場する。
 実父である二代目桂春蝶師匠の逝去をきっかけに、保育士への夢を封印し、落語家になることを決意。1994年に三代目桂春団治師匠に入門後、父の追善興行が初舞台となった。
 2007年、なにわ芸術祭奨励賞受賞、2009年には同審査員特別賞受賞。そして、同年に松竹座、南座にて三代目桂春蝶襲名披露を行い、これより全国20カ所で襲名公演を実施した。
 2010年には、大阪成蹊短期大学/表現文化学科・非常勤講師に就任し、2012年より2018年まで、同短期大学/創造文化学科客員教授として教鞭を執った。
 その間、2011年には拠点を東京に移し、活動の場を広げている。近年「桂春蝶の落語で伝えたい想い。」をシリーズ化し、「明日ある君へ~知覧特攻物語~」「約束の海~エルトゥールル号物語」「ニライカナイで逢いましょう~ひめゆり学徒隊秘抄録」「業と行~わたしは千日回峰行を生きました」など、命をテーマにした感動的な新作落語を次々と発表。
 2015年、芸能生活20周年記念特別公演として、上方落語家初となる大阪フェスティバルホールで独演会を開催。2700枚のチケットを完売し、大成功を収めた。
 昨年12月だけでも、東京・奈良・神戸・大阪・福岡・滋賀など、休む間もなく公演を打ち、その活躍はとどまることを知らない。今年入門26年を迎えるが、当時と変わらぬ甘いマスクは健在で、相変わらず女性ファンの心をときめかせているのみならず、春蝶師匠の新作落語は、戦争体験者や、厳しい時代を生きる若者たち、さらに未来を背負う子どもたちの心にも深く熱く届いている。
 春の独演会では、色艶醸す上方落語の軽妙な語りで、春蝶ワールドを堪能! 老若男女、文句なしに楽しめること請け合いだ。
【日時】3月7日(土)13時30分開演【場所】かつしかシンフォニーヒルズ アイリスホール【料金】3000円【問合せ】TEL5670・2233