足立朝日

金工の美しさとぬくもり 石洞美術館 「輝けるメタルアート」開催中

掲載:2020年2月5日号
 石洞美術館(千住橋戸町23)で金工作品展「輝けるメタルアート―淡水翁賞35回記念―」が1月11日(土)から開催されている。それに先立ち前日10日(金)の開会式と内覧会に、メディアなど多数が招かれた。
 同美術館を併設する千住金属㈱は、はんだ技術により、スプリンクラーの国内シェア7割を誇るなど世界トップクラスの企業。故佐藤千壽名誉会長が還暦を迎えた折に、社会貢献として自らの蒐集品を基に、公益財団法人美術工芸振興佐藤基金と美術館を設立した。
 この賞は、佐藤会長の父で佐藤保商店(現佐藤金属㈱)の創業者、淡水翁・佐藤保を記念して1983年に創設された。金属メーカーらしく若手金工作家の奨励を目的としたもので、金属を用いた作品であればジャンルを問わないユニークな賞として注目されている。作品ではなく作家が対象であるため、1度しか受賞できないのも特徴だ。
 展示されている作品の技法や素材は様々で、オブジェ、器、装飾品、家具などバラエティに富んでいる。学芸員の林克彦氏は「最近は金工をやる人が少なくなってきた。金工の魅力を発信して、多くの人に好きになって欲しい」。金属の持つあたたかみと美しさに、驚きと可能性を感じられる展覧会となっている。
《輝けるメタルアート―淡水翁賞35回記念―》
【日時】4月5日(日)までの午前10時~午後5時(入館は閉館30分前まで)
【場所】石洞美術館(千住橋戸町23/京成線「千住大橋駅」徒歩3分、「北千住駅」から「千住大橋駅」までは、西口よりコミュニティバス「はるかぜ5号(北千住駅西側循環)」)
【料金】一般500円。学生300円、小学生以下・65歳以上・障害者手帳所持者無料(要証明書)
【問合せ】TEL3888・7520石洞美術館

写真上/嵯峨卓《朝日の使者》銅・真鍮・ステンレス・木
中/内覧会の様子。らせん状のスロープが特徴的な石洞美術館
下/祝迫芳郎《CHU‐KEN~パグ~》銅・真鍮・銀・ステンレス他