足立朝日

Vol.21 かめあり亭 第46弾「新春寿寄席」

掲載:2020年3月5日号
真打ちパワーで伝統文化漫喫

 春の陽気に誘われて、ファン待望のかめあり亭第49弾「芸協花形落語会」が、かめありリリオホールで上演される。出演者は愛すべき次のメンバー。
 まずは瀧川鯉昇。昭和28年生まれとは思えないアナウンサー張りの若々しい美声と、穏やかな語り口が耳に心地良く、噺をずっと聞いていたい思いに駆られる。「力の入った熱演などは一切いたしません」と公言しながらも、さりげないジョーク連発のまくらで、会場は大爆笑! 観客を噺の世界にすっと引き込む力量に惚れ惚れする。
 続いて11代桂文治。東西桂派宗家・大名跡を継いで8年。いずれは落語芸術協会の将来を担うと周囲が認める実力者だ。そんな期待を担いながら、人柄の良さ全開のベビーフェイスと、張りのある声で披露する噺は絶品! 先代文治の芸をしっかりと受け継ぎ、「源平盛衰記」「親子酒」「掛取り」など、自身の解釈を加えて作品をより高めている。
 3人目は柳亭小痴楽。5代目柳亭痴楽の次男として生を受けながらも、昨年の真打昇進時、6代目襲名の話を受けずに、我が道を通して今日に至る。同協会若手落語家・講談師によるユニット「成金」のメンバーとして、この世界に若者ファンを増やす原動力となった。イケメンからテンポ良く繰り出される噺は聴き応えがある。
 会を彩るのは、宮田陽・昇の漫才。劇団で活躍後、コンビ結成。宮田章司一門に入門し、現在は「漫才協会の四天王」と呼ばれる存在に。漫才協会認定の真打に昇進後、陽は同協会副会長、昇は理事として協会を盛り上げている。都道府県、アメリカ合衆国50州、アフリカ大陸などをよどみなく暗唱する芸風にはいつも驚愕!
 これら花形落語家・漫才師の卓越した話芸に触れ、伝統文化の豊かさを実感できるチャンス。
【日時】5月13日(水)午後7時【場所】かめありリリオホール【料金】3300円【問合せ】TEL5680・3333