足立朝日

　お盆の上に土や砂、石、苔や草木などを配置して自然の景色をつくり、それを鑑賞する伝統芸術である盆景が、この４～５月にかけてＮＨＫの人気番組で放映されるとともに、外務省提供の約１００カ国のテレビ番組で広く世界に紹介されることになった。
　日本盆景協会（本部・青井４-12-15）の杉原由親会長（89）によると、昨年12月初旬に外務省専属の映画会社から「外国の人に見せたいので、盆景を取材したい」と申し出があり、「日本古来の縮景芸術・盆景の魅力を世界に伝える」という企画の趣旨に賛同したところ、１月下旬に青井４丁目の盆景協会事務所で取材が行われた。
　取材は、事務所にある多数の盆景作品と杉原会長が撮影され、会長の分かりやすい説明が収録された。
　外務省は、日本の社会・文化・職業などを広く海外に紹介するために４分前後の短編ビデオを制作していて、これはその一つだ。番組名は「JAPAN VIDEO TOPICS（ジャパン・ビデオ・トピックス）で、放送形態は４分前後にまとめた映像を各在外公館を通して世界約１００カ国のテレビ局に提供され、紹介される。映像は６か国語（英語・仏語・スペイン語・中国語・ポルトガル語）に翻訳。放送予定は、４月中で、ウェブサイトやユーチューブでの公開もある。
　一方、ＮＨＫからは２月に話があった。番組は、草刈正雄さん出演のＢＳプレミアム、毎週金曜日、午後７時半～放送（再放送・毎週土曜日午前６時半～）の「美の壺」。この番組は、放映14年目に入ったＮＨＫの看板番組。３月１日（日）に撮影があり、これまた青井の事務所で行われた。放送は５月１日（金）の予定で、その後Ｅテレの毎週日曜午後11時（再放送・毎週木曜日午前11時～）の「美の壺・選」でも放映される予定だという。
　今年創立１０４年を迎える日本盆景協会の杉原会長は「新年早々、偶然にも明るい大ニュースが相次いで飛び込み驚いています。どちらも、盆景の素晴らしさを取り上げていただくという夢のような話。しかも、大勢の外国の方がオリンピックの話題で日本に関心を持つ時期です。この千載一隅のチャンスを生かして、盆景という芸術の良さをさらに広めたい」と感激して語っています。
【メモ】日本盆景協会は、青井４-12-15、TEL３８４９・２４７５、FAX３８８７・２５５０。

写真上／２０１６年に同協会が日比谷公園で開いた「世界の絶景１００選」で杉原会長
中／盆景「日本平の茶摘み」
下／同・世界最大の滝「南米のイグアス瀑布」