★「望み」雫井脩介著/KADOKAWA刊/680円+税
ある少年が惨殺され、我が息子が関連し、さらに行方不明になっている場合、あなたは息子が「加害者か」「被害者か」どちらであると考えるだろうか。
例え加害者であっても、息子に生きていて欲しいと願う母親と、被害者となって息子が既に絶命していると考える父親。そして、加害者の妹であるよりは、被害者の妹であるほうがよいと考える妹。父親と妹の心の中には、これから自分の身に降りかかるであろう困難を耐えがたく思う気持ちが去来する。
何不自由なく、豊かに暮らしていた一家に突然降りかかった不幸。連日訪れるマスコミもまた、家族を不幸のどん底におとしいれる。息子の生死が判らないまま、家族が疑心暗鬼に陥り、幸せが一瞬で崩れ去る恐怖が、読者の心にじわじわと沁み入る。
無口になった息子を子どもにもつ親のみならず、親をうとましく感じる世代にとっても、深く考えさせられる濃厚なストーリー。
どんなに人に傷つけられても「人を許す」という想いは、この体験を経たこの夫婦でなければ至らない境地だ。ラストシーンが、あまりにも多くのことを読者に訴えかける。圧巻!
同書を原作に、この秋、KADOKAWAが映画公開予定。その前にじっくりと同書を読み込み、イメージでの理解と、映像での理解の違いを知ることも実りある体験だ。
ある少年が惨殺され、我が息子が関連し、さらに行方不明になっている場合、あなたは息子が「加害者か」「被害者か」どちらであると考えるだろうか。
例え加害者であっても、息子に生きていて欲しいと願う母親と、被害者となって息子が既に絶命していると考える父親。そして、加害者の妹であるよりは、被害者の妹であるほうがよいと考える妹。父親と妹の心の中には、これから自分の身に降りかかるであろう困難を耐えがたく思う気持ちが去来する。何不自由なく、豊かに暮らしていた一家に突然降りかかった不幸。連日訪れるマスコミもまた、家族を不幸のどん底におとしいれる。息子の生死が判らないまま、家族が疑心暗鬼に陥り、幸せが一瞬で崩れ去る恐怖が、読者の心にじわじわと沁み入る。
無口になった息子を子どもにもつ親のみならず、親をうとましく感じる世代にとっても、深く考えさせられる濃厚なストーリー。
どんなに人に傷つけられても「人を許す」という想いは、この体験を経たこの夫婦でなければ至らない境地だ。ラストシーンが、あまりにも多くのことを読者に訴えかける。圧巻!
同書を原作に、この秋、KADOKAWAが映画公開予定。その前にじっくりと同書を読み込み、イメージでの理解と、映像での理解の違いを知ることも実りある体験だ。











