足立朝日

わたしとあなたの足立・橋・物語No.2

掲載:2020年5月5日号
鹿浜橋
(鹿浜1・2丁目~新田1・2丁目)
橋長 604m
架設 昭和43年(1968年)
構造 ゲルバー式合鋼製I桁橋


―下篠様のお手紙―
 フリーのデザイナーです。美大を卒業して原宿のデザイン事務所に就職。配属されたのは足立区堀之内の第二スタジオでした。明大前からの通勤は不便でした。自転車を購入、赤羽からGパン・スニーカーでペダルをこぎました。難関は鹿浜橋へ昇る階段でした。でも、橋上に着くとそこには桜、菜の花、新緑の柳といった幻想的な風景――橋桃源郷が出現。春になると、今でも鹿浜橋の風景を思い出します。
―大淵澄夫の現地探訪―
 鹿浜の地は桜の名所、そして桜の生産地であった。ワシントンの河畔の桜の原点が足立産、これは有名な話。昨秋の水害復興工事で堤内は重機が忙しく動いている。一日も早く自然の風景が見られるようになることを私は楽しみにしている。
 放水路工事で桜の名所は消えたが、堤上にわずかに残る。都市農業公園の五色桜が竣工記念として植樹され、色とりどりの八重の桜の円熟美を堪能したり、蓮華畑を訪ねるのも楽しみ。でも今年は外から眺めることになった。

イラスト・大淵澄夫