足立朝日

羅針盤 VOL.111

掲載:2020年12月5日号
 この世の中、驚くことばかり起きるが、身近な人の死、しかも元気だった人の突然の死、訃報ほど驚くことはない。2面の「訃報」の人、沖山忠敏氏のことである。
 子どもが大好きで、「子どもたちは、思いやりと助け合いでともに伸びる」「文武両道」が口ぐせ。最後まで監督を務めた辰沼小学校を中心とするミニバスケットボールチーム「フレンズ」の理念にも、それが明確に反映されていた。
 「人への思いやり、優しさを持つ人が、人々の信頼を勝ちとり指導者となれる」という言葉があるが、沖山さんは正にそんな人。ポートボールは、誰もがゴールを狙える「優しいスポーツ」。沖山さんのポートボールへの「こだわり」はその「優しさ」にあったのだろう。
 人をのけ者にしたり、優勝劣敗のみを競い合う昨今の風潮の中で、最後まで「優しさ」にこだわったその生き方に限りない拍手を贈りたい。お疲れ様でした。合掌。(編集長)