足立朝日

羅針盤 VOL.112

掲載:2021年1月5日号
「新年」という言葉を聞くと、何か大変難しいことを書かなければいけないと物書きは焦る、と誰か偉い先生が言っていたが、一方で、人間は誰しも身の丈以上のことを書いたり、語ったりすると空虚になる、とも言っている。
 さて、この新聞が出る1月5日には、どんな違った年末年始になっているのだろうか?
 フェイスブックで新型コロナのことを「可愛くない『化け物』」と書いたら、「いいね」がついた。本当にこのウイルスは可愛くない。「箸にも棒にもかからぬ」(何とも取り扱いようがない)もの、という表現がぴったりだ。「可愛い化け物」なら小説にも映画にもなるのだが、この「化け物」は絵にもならない。
 医学に何の知識もない我々庶民は、「令和の野口英世、北里柴三郎よ現れよ」とただ祈るばかり。
 新年は「うし年」だけに、「牛にひかれて善光寺参り」になれば良しとするか。 (編集長)