足立朝日

区内初の大規模シェアキッチン 梅島で動き出す 創業を支援する施設 「はじまるキッチン」

掲載:2021年2月5日号
 飲食店に限定した創業支援の施設、シェアキッチンが東武線梅島駅そばにオープンすることになり、14店の開店希望者の募集を始める。民間人が始めたこの事業、その名も「はじまるキッチン」。これだけ大規模なシェアキッチンは区内では初めて。

◆シェアは1週間の曜日を前半、後半に分け計14人
 シェアキッチンとは、数人で1つのキッチンを共有して使うこと。都内では各種形態のシェアキッチンが珍しくはないが、区内では初。しかも週の7つの曜日を前半、後半に分け、計14人に貸し出そうという形態だ。
 この事業を立ち上げたのは、梅田8丁目のパン店「サンベルゴ」の宮下和朋店主(44)。宮下さんは、3年前の2月に、区内の15社の菓子製造メーカーを集めて「あだち菓子本舗」を設立、区内のスーパーでの販売を通して、町おこしの活動をしてきた。
 「サンベルゴはお陰様で昨年40周年を迎えました。感謝の気持ちを込めて、新型コロナ禍で大変だからこそ、新しくテイクアウトを含めて飲食で創業を目指す方を少しでも応援したいと、決意しました」と話す。「あだち菓子本舗」事業のツテもあり、今回も足立成和信用金庫(土屋武司理事長)の全面的な応援を受ける。
◆元駐輪場に3階建てのおしゃれな建物
 場所は、梅島駅の東武線線路沿い、西新井寄り、下車1分の一等地だ。広さ110㎡の元駐輪場を買い上げ、3階建てのおしゃれな建物が完成。
 1階のシェアキッチンは、どんな料理にも対応できる設備と広いキッチンに30席分のテーブルとイスが用意され、最大10人が座れる掘りごたつ、更衣室が付いている。
 借りた人は、作って終わりのレンタルキッチンとは違い、ここでテイクアウトと店内飲食2つの方法で料理を提供できる仕組み。
 システムは、会費制の更新制度で貸し出す。3カ月会費4千円~12カ月会費9千円。
 契約すると、契約終了時に返金される保証金が10万円。利用料金(貸料)は、月~金の午前6時~午後3時で1万2100円、金・土の午後4時~同11時半で1万8700円。
◆2、3階は、シェアオフィスが4部屋
 宮下さんは、1階のシェアキッチンとは別に、2、3階をシェアオフィスにした。各階2部屋あり(つなげて使うのもOK)、2、3階に電話、3階に複合機を設置。利用時間は午前6時~午後11時半で、利用料金は、水光熱費込みで1日5
720円~6710円。ここも会費制で契約、保証金は5万円。
 宮下さんは、シェアキッチンとオフィスは切り離して考えているが、「上階を託児スペースで借り、下でキッチンというのもありです。色々な使い方を考えて欲しい。相乗効果がある人がいいですね」と言う。
 使い方の例として①テイクアウトメイン&単品に特化した専門店②お菓子の専門学校卒業生が経営するカフェ③おばちゃんたちで切り盛りする定食屋④育児中の人たちの休息場⑤趣味を生かした教室&カフェ――などを挙げる。
 「どういった事業がやりたいのかを考え、まずは問い合わせて欲しい」。宮下さんは難しいコーディネータ役もこなす決意で走り始めた。
【メモ】問合せ=㈱サンベルゴ(管理者)▼はじまるキッチンWEBサイト

写真上/「はじまるキッチン」の正面に立つ宮下さん
中/使い手を待つ1階シェアキッチンのキッチン部分
下/1階シェアキッチンの客席フロア。ここにテーブル、イスが入る


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