足立朝日

「ソーシャルダイニング ばしょう菜」 「子ども食堂 あ★だちっこハウス」 吉友 安世 代表(55) 西新井出身

掲載:2021年2月5日号
『人のために』精一杯生きたい

 とにかく好奇心旺盛で行動派。
 3人兄弟の2番目として生まれ、栗原小、第十中、都立足立高校を出た吉友さんの実家は、西新井栄町の豆腐店。父親の病を機に、今の場所(栗原1丁目)に引っ越し、本屋を経て、父親の死後に婦人服のお店に。
 10年前、最愛の母が死去。空き店舗のままだったが、7回忌を済ませた頃から、「改造して地域のために生かしたい」。その思いが結実したのが2年前にオープンした「ソーシャルダイニング ばしょう菜」だ。
 江戸東京野菜コンシェルジュの吉友さんは、住んでいる荒川区に関係する「幻の三河島菜」が「仙台芭蕉菜」と同じであること、この芭蕉菜で多くの人とのつながりが持てたことを感じた。それにより「場が笑う」に通じる「ばしょう菜」が昭和のコミュニティの場所になればと店名にした。
 ここでは、放牧豚や無農薬野菜などの安全な食材を使った昭和の食卓をイメージしたメニューを提供する一方、曜日別にタイ料理を提供する若い人やイベントを行う人をつなぎ「シェアキッチン」の試みも展開。
 西新井駅西口では、「多世代地域食堂 あ★だちっこハウス」をスタート。区のNPO活動支援センターなどの協力を得て、区の同じ講座を受けた人たちとともに、毎月第2日曜日に子どもたちに料理を作って一緒に食べる活動をしている。
 毎日が大車輪の吉友さんは「両親の生き方を見て、人と人とのつながりが大切なことを学んで来ました。それが私の『原点』。人のために精一杯生きたい!」
 今、「ばしょう菜」の屋上(約80㎡)に「農園」を作るべく着々と準備中。荒川区南千住でバイク業を営む夫と会社員の長女、栄養士と調理士をしている双子の2女、3女も応援している。
【メモ】▼「ソーシャルダイニング ばしょう菜」=栗原1-20-4、TEL6879・4530
▼「あ★だちっこハウス」=西新井栄町1-10-6サンライズハウス101号室、TEL090・5500・2951吉友