足立朝日

羅針盤 VOL.114

掲載:2021年3月5日号
 「つれづれなるままに、日ぐらし、硯にむかひて……」――。
 右を向いても左を向いてもコロナ、という何ともやり切れない毎日。ふいに吉田兼好(兼好法師)の「徒然草」が読みたくなって、綾瀬のヨーカ堂にある熊沢書店へ直行、現代語訳付きの角川文庫(税別1080円)を買った。
 第二段に偶然次のことあり。紙数がないので原文はやめるが、小川剛生氏の訳では「善政を忘れて、民衆が愁嘆し、国力が疲弊することも知らないで、万事華美の限りを尽くして立派だと思い、財宝をぎっしり溜め込んだ様子でいる人は、何ともひどく、思慮に欠ける…」とある。
 今、どこかにこんな人がいなかったっけ?話題になっている〇〇広報官!? 1回の会食に7万円!?。何を飲み、何を食べればこんな額になるのか?
 「祇園精舎の鐘の声、盛者必衰の理を現す」――。おっと、これは「平家物語」だった!? (編集長)