足立朝日

綾瀬駅東口駅前開発 交通広場&1・2階店舗の マンション建設へ ~区と住友不動産が覚書~

掲載:2021年4月5日号
 東京メトロ綾瀬東口駅前の再開発問題がようやく決着した。交通広場造成のため、区が買い取る住友不動産の土地の売買価格が折り合ったことから、同社は凍結していた空き地地下の解体工事を4月末に再開する。10月頃から30階建て分譲マンションの建設と交通広場の工事がスタートする。

◆6年間の空白、ようやく解消
 空き地状態が続いていたメトロ綾瀬駅前一等地の異例な『空白』が6年ぶりに解消されることになった。
 東口駅前のサンポップ、エトセトラの跡地、約5300㎡(1600坪)は、2015年(平成27年)に住友不動産㈱が買収、350戸程度の分譲マンションの建設計画が明らかになったが、前の建物の地下部分が未解体のまま空き地状態になっていた。
 「マンション低層部分に店舗を入れて欲しい」という住民の声を背景に、区側は同社と交渉を続け、昨年9月に区と住友不動産㈱(仁島浩順社長)の間で①足立区が一部用地(1288㎡)を買い受け、交通広場を令和6年10月末を目途に整備する②住友不動産㈱は、低層階を店舗と住宅共用部とする、高さ110m程度の建物を令和7年3月末を目途に竣工③売買価格は、住友不動産㈱が行なった不動産鑑定評価36億1千万円と区の財産価格審議会(昨年12月8日開催)で決定された価格の範囲で行う――という確認書を締結。
◆マンション1・2階に店舗と保育関連施設
 今回交わされた覚書は、この確認書に基づき①区が買う購入金額は、区の財産価格審議会で決定された評価額で合意(額は現在の段階では非公表)②住友不動産㈱が4月30日(金)から地下解体と埋め戻し工事を行い、10月上旬頃更地化した上で、今年10月末日を目途に土地売買契約を行う③店舗はマンション1・2階に、2階に保育施設を設置――などの内容。
 区が買い取るのは、都立東綾瀬公園のハト公園に接する東側だ。綾瀬駅東口前は、道路が狭く、タクシーの客待ちや4路線が走る「はるかぜ号」の通行など交通環境の整備が課題だった。3年後の令和6年10月完成予定の交通広場は、「はるかぜ号」4路線が乗り入れ、タクシー乗り場もある便利なものになりそう。また、区は「東京武道館へ向かう道と一体化した広場にしたい」(担当課長)としている。
 一方、4年後の令和7年3月に竣工予定の同社が建てる高さ110mの建物は、2月に北千住駅西口のトポス跡地に完成した「千住ザ・タワー」(マンション&店舗)と同じ30階程度の建物になる見込み。また、保育施設は、0~2歳児を預かる小規模保育室となりそうで、規模は未定。
◆住友不動産の話
 まだ土地売買契約が結ばれていないので、特にコメントはありません。(広報部)

写真上から①/断面図(上)と断面イメージ
②/ホームから見た空き地
③/左側が現在の跡地。区道をはさんで右が武道館への道。歩道に隣接して交通広場ができる
④/右のハト公園に隣接して交通広場が整備される