足立朝日

自然がいっぱい 「新田周辺」をお散歩

掲載:2021年5月5日号
 本日5月5日(水・祝)は「こどもの日」。子どもたちが元気いっぱい遊べる自然豊かな「新田周辺」をお散歩してみよう。

Aバラ咲く公園
 新田学園と隅田川に挟まれる位置にある大きな公園「新田さくら公園」(新田3-34-1)には、5月中旬になると約1700株のバラが咲き誇る。
 主な品種は、惚れ惚れするような赤色が特徴的な「マイナーフェアー」、フランス生まれで病気に強く初心者でも育てやすいと言われる「ラ・セビリアーナ」、その名はグリム童話の「ホレのおばさん」から付けられたとされ真っ白い花を咲かせる「フラウ・ホレ」、丸みをおびた可愛らしい黄色い花の「ゴールデンボーダー」、上品や美しい少女といった花言葉通りさわやかなピンク色が特徴の「サマーモルゲン」、その名の通りバニラ色のソフトな色合いの「バニラモニカ」など。
 同公園は区内最大級の芝生広場を持つ公園で、アスレチックやすべり台などの遊具もある。休日には親子で遊ぶ姿がよく見られる。バラを見ながら遊べる公園としてはもってこいの場所だ。
【メモ】同公園以外にバラが咲く公園として、青井3-18-15の「青和ばら公園」(約100種920株)と梅島1-33-7の「ベルモント公園」(約40種80株)がある。また、新型コロナウイルス感染拡大防止のため「青和ばら公園」のバラまつりは昨年に続き中止が決まった。
【問合せ】TEL3880・5845南部公園係
【交通】北千住駅からバス王子駅前行きで「ハートアイランド南」下車、徒歩2分※有料駐車場あり
B生き物いっぱいの水辺広場
 新田の荒川土手沿いは、「新田わくわく別水辺広場」と呼ばれる約11万㎡という広大な緑地となっている。都民ゴルフ場跡地を整備して平成22年(2010)に誕生した。
 ここでは、緑地を上流部、中流部、下流部の特徴の違う3つのエリアに分けている。上流部と下流部は草地広場で、上流部の方には秩父から寄贈された間伐材の丸太ベンチや昆虫型の置物遊具などがあり、日向ぼっこをする人などのんびりとした時間が流れている。
 下流部の広場には健康遊具や園路に歩いた距離が分かる標示があるため、運動やスポーツをする人たちの姿が。中流部は、深さや広さの違う様々な4つの池があり、多様な動植物の生育環境が保存されている。
 多くの生き物が観測され、昆虫ではモンシロチョウやキタテハなどの蝶、バッタのヒメギス、アオモンイトトンボなどが見られる。鳥も多く、アオサギ、カワセミ、コアジサシ、ツバメ、ムクドリなどがやって来る。
 東京消防庁第六方面消防救助機動部隊付近から土手沿いに入っていける無料駐車場(土日祝のみ)がある。
【問合せ】TEL3880・5845南部公園係
【交通】北千住駅からバス王子駅前行きで「新田東」下車、徒歩約10分※無料駐車場あり
Cメニュー豊富な昔ながらのお蕎麦屋さん
 地元新田商店街に加盟している昭和32年(1957)創業の老舗蕎麦屋「稲廼家」(新田3-17-22、TEL3911・4415)。世代を越えて愛される地元密着のお店で、現在は3代目の鷲津豊揮店主(47)が腕を振るっている。
 創業から色や香りの良い常陸(茨城県)のそばを使って出されるメニューは約60種。このほか、季節限定や丼物、定食などを含めると何と100種を超える。選択肢がたくさんあることで、その日の気分や体調によって食べる料理を変えたり、好き嫌いがある人でも選ぶ楽しさがある。
 数年前からランチセットメニューを始めた。かつ丼や親子丼、天丼などのご飯物とそばのセットで価格は1000円~。ボリュームもあって男性から大変好評だ。その他、名古屋の八丁味噌を使った「煮込みうどん」(800円)、豆腐や山菜などが入った「田舎そば」(900円)も人気がある。
 商店街のイベントなどでも会場の運営に活躍している鷲津店主。「ゴールデンウィーク明けからは夏季限定の冷やしメニューもスタートします。ぜひ、自家製そば・うどんを食べにお越しください」と話す。
【営業時間】午前11時~午後2時、5時~9時(現在は8時までの時短営業)、日曜定休
【交通】北千住駅からバス王子駅前行きで「新田三丁目」下車、徒歩約1分※店舗前に1台駐車可
D自家製クリームのパンが大人気
 約2年前、新田高校そばに新しくパン屋がオープンした。「ベーカリータカスギ」(新田3-7-15、TEL6903・0878)は、高杉直行店主(43)が「日々の中においしいパンがある。そんな、ささやかだけど豊かな幸せのそばにいたい」という思いで、12年以上暮らす新田にお店を開いた。
 八王子出身の高杉店主は、幼い頃に食べた手作りパン屋の味に魅了され、パン職人の道へ。高校時代にはそのパン屋でアルバイトをした後、大手パン屋で修行を積み独立した。
 幼い頃に感動したあの味を残したい、地域の子どもたちにも食べさせたいと研究。普通のコンロでは最後に炊き上げる時に火力が足りないが、八王子の師匠から譲り受けた年季や思いのこもっている五徳という調理器具を使って、自家製クリームを炊き上げることで、シンプルで優しい味わいの自家製クリームが完成する。
 そのクリームが入った「クリームパン」(151円)と「チョココロネ」(同)は同店の看板商品だ。曜日や季節限定パンもある。
 そして同店では売れ残ったパンを処分しない「フードロス」を徹底。天気が悪い日には作る数を減らしたり、基本的には売り切れるまで営業をする。どうしても残ったものは自分たちで食べる。そうすることで価格を抑えることもできる。
 「お客様に安心安全でおしいパンを提供したい」という思いでいっぱいの高杉店主。「パンについて疑問質問もお答えしますよ」と地元密着のパン屋さんとして親しまれている。HP
【営業時間】午前10時~なくなり次第終了、日祝定休(月に1~2回連休あり)
【交通】北千住駅からバス王子駅前行きで「新田三丁目」下車、徒歩約1分

写真A-1/色とりどりのバラが咲き誇る
A-2/休日には元気に遊ぶ子どもたちの姿がたくさん
B-1/木の上で休むムクドリ
B-2/東京ドーム2個以上の広さがある生き物たちのオアシス
C-1/ボリューム満点のランチセット
C-2/古風な店構えの店舗
D-1/自慢のクリームパン
D-2/「いらっしゃい」と高杉店主夫妻