足立朝日

今年も営巣 3月初旬ツミが飛来

掲載:2021年5月5日号
 3月初旬、足立区の公園にツミ(一番小さい鷹の一種)が早くも姿を見せ始めた。暖冬の影響か、桜の開花に合わせるかのように例年より2週間も早い出現だ。これをいち早く知った野鳥カメラマンたちが、良いシーンをものにしようと、毎朝集まるようになった。
 ツミが姿を見せるのは、例年だとお彼岸の頃。冬は南に旅をする鳥だが、今年はソメイヨシノが開花すると同時に元気よく木から木へ。そして満開の頃にはペアリング行動も見られるようになった。昨年より一週間早い4月19日(月)には、昨年と同じ場所の桜の木に営巣した。
 カメラマンの一人、綾瀬6丁目在住の小久保彰さん(72)は「この季節が鳥撮りには絶好のシャッターチャンス。オス、メス仲良く営巣が始まり、5月中旬から下旬にはヒナが生まれるでしょう。1カ月後には巣離れが始まり、巣の近くを飛び廻る様に。独り立ちするまでの成長を、マナーとルールにのっとり、静かに温かく見守りたいと思います」と話してくれた。
【メモ】ツミは、シベリア南部、モンゴル、中国、日本などに分布しているタカ科の鳥。日本で最小の猛禽類。猛禽類とは、他の動物を捕食する鳥のことで、タカやハヤブサ、フクロウの仲間。鋭い爪とくちばしを持つのが特徴だ。大きさはオスが全長約27㎝、メスが約30㎝で、羽を広げた状態(翼開長)では50~60㎝にもなる。眼の色が赤いのがオス、黄色がメス。一度に産む卵の数は2~5個で、4~5月に産卵。卵はメスが温め、約30日で孵化、孵化後約30日で巣立つ。

写真上/桜をバックに朝日を浴びるオス
下/巣作りに一生懸命のオス