足立朝日

羅針盤 VOL.118

掲載:2021年7月5日号
 この新聞が出る7月5日(月)の景色は一体どうなっているだろうか? 新型コロナウイルスの感染が続き、「オリンピック」をめぐる喧騒の中での都議会議員選挙が終わり、その結果が出た最初の月曜日である。
 新聞を読んでいたら、香港の民主化運動を担った大学教授が、あのサンデグジュペリの童話「星の王子さま」を愛読し、「現代社会に対する珠玉の哲学寓話だ」と述べていることを知った。
 思わず「むべなるかな」(そうだよなあ)と膝を打った。今のコロナ騒動やワクチンをめぐる動き、オリンピックの話などは、王子さまに言わせれば「みんな特急列車に乗り込むけど、今ではもう、何を探しているのかわからなくなってきているのさ……」
 だいたい、8年前、この最悪の猛暑の時に「世界のスポーツマンと人々をもてなす」という「無理難題」を決めたことが、「普通はありえない」ことなんだから……。 (編集長)