足立朝日

第56回足立区夏花品評会 「ルドベキア」で都知事賞を獲得した 榎本 守伸 さん(56) 扇3丁目在住

掲載:2021年7月5日号
生き生きとした花ができれば“幸せ”

 「(榎本さんの)ルドベキア(品種・トトゴールデン)は、黄色の花色が鮮やかで花数も多く、病害虫の被害もなく、花と葉のバランスが優れている」――。
 こんな審査員からの講評を受けて、都知事賞に輝いた扇3丁目の花き農家・榎本守伸さんは人懐っこい笑顔でニッコリ。「足立の花き農家は減ってしまったが、それだけにそうそうたるメンバーばかりが残っています。そこでのトップの賞とはうれしい」
 明治時代から続く花き農家の4代目。興本扇学園そばの大小12棟のビニールハウスでは、2年前に他界した父・晴夫さんの頃まで、夏菊を専門に作っていた。今では、チューリップ、ニチニチソウ、マツバボタン、ヤグルマソウ、テッセン、ユリ、コスモス、ハスなど約20種類もの四季の花を栽培している。
 賞をとった「ルドベキア」という花は、北米産の一・二年草の夏花。8面にあるように、その姿はひまわりを小さくしたような花で、花屋の店先ではとても人気がある。
 「今回は、今まで作った中で一番うまく行った。いつもは、苗床で育った苗をすぐポットに植えていたが、今回は農業ボランティアの手伝いもあって、もう1回植え替えた」のだという。
 「もうひと手間かけたことが良かった」とキッパリ。北足立、大田、世田谷などの市場でも評判で、よく売れたという。
 生まれた時から花き農家の「4代目」を背負っていた榎本さんは、農業関係の学校には行かず、独協中学・高校から独協大学の法学部へ通った。
 「別に、跡を継がないということではなかったが、今になってもう少し植物の勉強をしておけばよかったなと思います」。それだけ、花作りが面白くなってきたということだろう。
 大の釣り好き。よく千葉・房総の海でボート釣りを楽しむが、コロナ禍で釣行かなわず、その面でのストレスは溜まっている、とのこと。