足立朝日

羅針盤 VOL.120

掲載:2021年9月5日号
 「お菓子」とか「ケーキ」は、子どもたちにとって魔法の言葉。「お菓子あげる」で、ぐずっていた子もすぐに泣き止んでしまう。
 1面のお菓子を見ると、このコロナ禍のいやなことがすっ飛んでしまうようなものばかり。そのネーミングは、子どもたちのお菓子に対する「夢」がたっぷり詰まっていて、拍手また拍手だ。
 小生が小学生の頃の「魔法」も駄菓子という名のお菓子だった。学校から帰ると、いつも10円玉を握りしめて家のそばにあった、おばちゃんのいる駄菓子屋さんに駆け込んだ。かなり記憶は薄れたが、棒のような物で削って穴をあける菓子は一体何だったのだろう。こねてウエハースのような煎餅にはさんだ水あめの美味しかったこと、紐を引っ張ると当たりが出るお菓子などなど、楽しかった、美味しかった……。
 「大人たちは、自分が子どもだったことを忘れてはいけない」――。この言葉を胸に抱いて、厳しいコロナ禍を乗り切りたいと思う。  (編集長)