足立朝日

銭湯の灯を消さないで 西新井駅前などで署名活動

掲載:2007年10月5日号
◆◇銭湯の灯を消さないで
西新井駅前などで署名活動

 「銭湯の火を消さないで」。こんな署名活動が9月12日朝、区内4駅前で行なわれた。
  揃いの赤いはっぴで訴えたのは、浴場組合足立支部(吉田建典支部長)のメンバー約20人。開発が進む西新井駅前にできるスーパー銭湯に、危機感を抱いてのことだ。

銭湯の生き残りをかけて
署名を呼びかける
浴場組合メンバー=北千住駅前で

  同施設はスポーツジム内に併設されるもので、既に温泉も採掘。1フロアは約700坪で、銭湯の10倍の広さになるという。それに加え、料金設定やサービス内容など、既存の銭湯と重なる部分があることがわかってきた。銭湯への打撃は必至で、早くも廃業してしまったところもある。
 吉田支部長は「スーパー銭湯が出来ることに反対なのではない。棲み分けを頼んだが、折り合いがつかなかった。このままでは我々はやっていけなくなる」と、許認可を区衛生部に掛け合うため、署名活動に踏み切った。
 昭和40年代に区内に155軒あった銭湯は、今では57軒に減少。組合では銭湯を単なる公衆浴場ではなく、社交の場、お年寄りのための福祉や、子どものマナー教育の場として位置づけ、様々なイベントを企画するなどして、生き残りを図ってきた。区も積極的に後押ししてきた。
  「じんのび」の吉田紀代和さんは「銭湯は寺子屋。足立区は日本で最初に銭湯に教育予算がついたのに。『銭湯で防ごう心の未成長』です」と話す。
  署名した女性は「お風呂好きなのよ。なくなるのは困る」と、銭湯への想いを語っていた。