足立朝日

羅針盤 VOL.123

掲載:2021年12月5日号
 コロナ、コロナと言っているうちにいつの間にか12月になってしまった。小生にとって一番いやな季節の到来である。
 今年ほど短い1年はなかったように思う。どこにも旅することもなく、そして友人たちとの飲み会も延期延期でここまで来てしまった。こんな状態で1年が終わるのが寂しい。誰もがフラストレーションを抱えたままの年越しだろうと思う。こんな時、こんな言葉を思い出す。「みんなは、特急列車に乗り込むけど、今ではもう、何を探しているのかわからなくなってきている。だからみんなは、そわそわしたり、どうどうめぐりなんかしているんだよ」(サン・ディグジュベリ、星の王子様より)。大変な苦労をして2回のワクチン注射を打ったのに……今度は3回目、マスクは続くよどこまでも……。
 しかし、「絶望」はいつまでも続きはしない。またモンゴルのことわざで恐縮だが「山が高いからと言って引き返してはならない。行けば必ず越えられる」。   (編集長)