足立朝日

東武大師線開通90周年「コロナ禍を吹き飛ばせ!」 地元に愛される草だんご列車 記念乗車券も発売中!

掲載:2022年1月5日号
 大師線は、西新井駅と大師前駅をつなぐたったひと駅、1㎞の東武鉄道一の短路線。昭和6年(1931)12月20日の開通から90年を迎えたが、この間、戦時中は「不要不急線」扱いで営業休止、環七通りの建設で駅舎が移転、と歴史を重ねてきた。5年前から運行している緑色の8000型は「草だんご列車」の愛称で親しまれ、大師線は満員の初詣客を乗せて今日も走る――。

 平均1万1000人が乗降する大師前駅。当初は西新井と板橋をつなぐ西板線を作る計画があり、その駅の一つとして開通したものだった。最初の駅舎は、現在の東武ストア大師前店のあたりに出来、地元と西新井大師の参拝者の熱意で誕生した。
 戦後には一度廃止されたが、地元住民の署名活動により昭和22年(1947)に営業を再開。平成3年(1991)には高架化もされた。全線1㎞片道2分は、歩いてもいい距離ではあるが、それでも多くの人たちに愛され、利用されて現在に至る。
 平成29年(2017)から昭和30年代試験塗装色をイメージした緑色のリバイバルカラー車両が運行されると、東武鉄道職員から「草だんご色だね」と言われるように。昨秋、大師前駅を管理する西新井駅の神崎和幸駅長は、西新井大師参道で草だんごを販売している「清水屋」「中田屋」「田口屋」の3店舗に「コロナ禍で参拝に訪れる人が減少する中で、草だんご列車を通じて地域全体を盛り上げていきましょう!」と呼び掛けた。
 12月19日(日)には、開通90周年イベントを実施。3店舗の草だんご販売、東武線の制服着用体験、江北にある足立ブランドの印刷会社・安心堂が作った人気の沿線グラスの販売などが行われ、多くの親子連れで賑わった。
 また、90周年記念として12月20日(月)~1月19日(水)までA5サイズ、3つ折りの記念乗車券を発売中。限定3000セット、1セット1000円で1人5セットまで。売り切れ次第終了。発売所は、東武線沿線55駅。区内では西新井駅、竹ノ塚駅、北千住駅の3カ所。この乗車券には、昔の大師線の写真やあゆみが掲載されているほか、4枚の切符が付いている。
 神崎駅長は「地域住民とともに歩んできた90年でした。草だんご列車とともに、コロナで沈んだ地域に活気を取り戻し、100年、150年と続いていきたい」と思いを語った。

写真上から1/大師線をバックに神崎駅長(右)と大師参道の草だんご3店舗スタッフ
2/90周年記念乗車券(内面)
3/90周年記念乗車券(表)
4/非常停止ボタンを押す体験=大師前駅で