足立朝日

あの町この店

掲載:2022年3月5日号
老舗をつなげる
「百年いなり」
千住2-31
TEL6812・0690

揚げと酢飯の絶妙なハーモニー


 本格的な江戸前のいなり寿司を食べてもらいたい――そんな思いで昨年11月に千住の街のど真ん中に開店したお店だ。
 まろやかな酸味とともにお米の甘み、揚げにしみ込んだ甘辛なツユのうま味が口の中に広がる――。それもそのはず、百年以上続く老舗お米店の粋をつなげてみせたのだ。
 使っているお米は、墨田区にある明治38年創業、文字通り百年企業「隅田屋」のもの。同店のお米は、ゆっくりと丁寧に磨き、おいしいところだけを残す「古式精米製法」による人気のお米。
 それを江戸前寿司職人で知らぬ者はいないという程、多くの寿司店で愛用されている江東区の横井醸造の酢で合わせ、墨田区緑にある創業明治2年の豆腐の老舗「相模屋」のお揚げでくるみ、それぞれの素材の良さを生かしながら、一つにまとめあげた逸品だ。 
 「百年いなり」は1個150円、6個入りで780円、10個入り1280円。柚子を利かせた「ゆずいなり」(1個170円)、わさびが入った「わさびいなり」(同)もなかなかの人気で、2月に5日間限定で「三連(3種類の)いなり」を実施したほど。値段は税込み。
 3月、4月はお花見と行楽の季節。この「百年いなり」を持っていざ、お花見へ。粋だねえ――。【営業時間】午前10時~午後7時、無休

写真上/10個入り1,280円
下/すっきりした外観



北千住駅西口から徒歩3分。本町通り商店街内(旧道沿い)