足立朝日

羅針盤 VOL.126

掲載:2022年3月5日号
 3月に入った。ようやく「春」がやって来た。今年くらい「ようやく春」という言葉が当てはまる年はないのではないか。
 ところで、先月号に、自分の住んでいる部屋の番号が分からなくなり、通行人に助けを求めた老婆のことを書いたが、その後同じ綾瀬のUR団地であった話をもう1件。
 買い物帰りの60代主婦が、反対側から歩いてくる高齢の男性から突然「帰る家が分からなくなった。助けて」と言われたそうだ。さて、困った。初の体験だ。この広い団地。どうやって探せばいいのか? その男性は、住所が分かるものは何も持っていなかった。いよいよ110番か、という時に近くの棟から30~40代の女性がすっ飛んで来て「すいません、父です。ちょっと目を離したスキに……」。
 正に超高齢化社会。人間界も「犬猫迷子」と同じ世界になった。認知症に関する医学の進歩を促すと同時に、心配な人は服に住所、名前、連絡先を縫い付けるなど認知症対策は急務!   (編集長)