足立朝日

いじめに問題提起 東京弁護士会

掲載:2007年11月5日号
◆◇いじめに問題提起 東京弁護士会
 大人の知らないところで深刻化している、子どもたちのいじめ。特にインターネットの「学校裏サイト」によるいじめは、表面化しにくく陰湿だ。
  そんな子どもたちの抱える問題を取り上げた芝居「もがれた翼・地図のない教室」が9月22日、天空劇場(東京芸術センター)で上演された。
  東京弁護士会主催によるもので、出演者は弁護士と、ワークショップで演技といじめなどを学んだ子どもたち。94年に始まり、今回で14作目になる。
同弁護士会の子ども人権救済センターに寄せられた相談などの実話を元に、坪井節子弁護士(NPO法人カリヨン子どもセンター理事長)が脚本を執筆した。
 舞台はどこにでもある高校生のクラス。ささいなことから携帯電話を中心にいじめが広がり、生徒の自殺未遂に発展する。悩み苦しむ生徒たち、そして学校、教師、親、弁護士らなど周りの大人たちの姿が、時に笑いを混ぜながらリアルに描かれ、観客は見入っていた。
  29歳の女性は「裏サイトのことはテレビで知っていたが、こうしていじめが始まるんだと実感した」、16歳の女性は「1年前に自分もいじめを受けていたが、客観的に見られて面白かった」と感想を話す。
 坪井弁護士は「いじめは1人の問題でなく、大人も子どももみんな苦しんで悩もうよ、ということを伝えたかった」と話す。
★東京弁護士会・子ども人権110番では無料で相談を受け付けている。℡3503・0110、月~金曜13時半~16時半、17時~20時、土曜13時~16時


いじめの実態を描いた舞台