足立朝日

Vol.28落語三銃師

掲載:2022年5月5日号
実力派3人 笑いの競演

 昨年旗揚げした、三遊亭白鳥(写真中央)・林家彦いち(写真左)・桃月庵白酒の各師匠によるユニット「落語三銃師」公演が、リリオホールに再登場! 三人三様の噺力で、再び会場を笑いの渦に巻き込む。
 同会の発端は、落語の会は山ほどある中で、白鳥師匠が「ユニットを作ろう!」と持ちかけたこと。彦いち師匠の提案で、ダルタニャン物語の「三銃士」を「三銃師」に変えて、ユニット名が決定した。白鳥師匠は「俺がコロナで仕事が無かったから作った!」と高らかに宣言! 最高のエンターテインメント落語会の幕開けだ。
 遠慮無しの3人が自由度100%でしゃべりまくるオープニングトークだけでも必聴。新作も古典もありの枠に囚われない落語会は、一度聴いたら病み付きになること間違いなし。
 まずは「自由噺 白鳥!」。「白鳥の湖」の出囃子に乗り、ジャージ調の白いラインが入った衣装で登場。着物の袂は「白鳥」にちなみ、羽のような形になっているというシャレ。臨場感溢れる登場人物に、観客は笑い転げる。当日は、待望の新作落語に期待感ワクワク。
 続いて「冒険噺 彦いち!」。厳つい顔と、キュートな笑顔のミスマッチが最高! それをあえて入れたマクラは抱腹絶倒で、これだけで新作落語が成り立ってしまうような面白さ。アウトドアで鍛えこんだ柔軟さで、登場人物の動きを表現する手腕も抜群で、笑いを止めるのに苦労する。
 そして「毒舌噺 白酒!」。耳に心地よいソフトな語り口に潜むサラリとした毒舌が、「あるある感」満載で、観客を止めどもない笑いの世界へと引き込む。性格の良さが滲み出る柔和な表情と、次々と繰り出される毒舌のギャップが実に楽しい。
 しかも当日は、それぞれの落語にメンバーが絡んでくる巧みな構成で、これでもかと笑いを仕掛ける。「全国制覇を目標に、地方でも開催していきます!」と三師匠は、全国に笑いをデリバリー中だ。
【日時】6月30日(木)午後6時30分【場所】かめありリリオホール【料金】3700円【チケット】TEL5680・3333