足立朝日

盲目のピアノ奏者 佐藤翔さん 10月2日(日)足立区音楽祭に出演

掲載:2022年9月5日号
 3年ぶりに足立区音楽祭が開催される。最終日の10月2日(日)の西新井文化ホールには、10組の個人・団体が出演。皿沼在住の盲目のピアノ奏者、佐藤翔さんも、その一人だ。
 先天的緑内障で生まれつき視覚障害のある佐藤さんは、4歳でピアノを始め、小学3年生の時から3年連続で「ヘレン・ケラー記念音楽コンクール」(東京ヘレン・ケラー協会主催)のピアノの部で第1位を受賞。また15歳の時(2017年)には、障がい者の国際音楽コンクールである第14回ゴールドコンサート(NPO法人日本バリアフリー協会主催)で、グランプリと観客賞をW受賞した。
 現在は6歳の時に始めたドラムとの二刀流で、数々のライブに出演、その才能と純粋に音楽を楽しむ明るさで多くのファンやミュージシャンを魅了している。
 8月14日(日)に二十歳を記念して渋谷ホールで開催されたバースデーライブには、ミュージシャン仲間やファンが駆けつけ、佐藤さんのピアノと共演して祝福。ゲストのコメントに合わせて、佐藤さんが即興演奏で合いの手を入れる場面もあり、心温まる時間となった。
 足立区音楽祭には以前も出演しており、今回は全盲のシンガー・わたなべちひろさん(17)と共演する。わたなべさんは墨田区出身で、ヘレンケラー記念音楽コンクールのピアノ低学年の部1位を受賞、観客賞を受賞するなど、佐藤さんと共通点も多い。ゴールドコンサートでの「イマジン」の弾き語りが話題となり、テレビやラジオの番組などにも出演している。
 今年の音楽祭のテーマは「希望の未来に響かせよう」。どんな希望の響きが奏でられるのか、楽しみにしたい。
【メモ】佐藤さんがヘレン・ケラー記念音楽コンクール1位を受賞した記事は「足立朝日」2013年5月5日号に掲載。

写真/バースデーライブで演奏する佐藤さん