足立朝日

タウン誌「あだち百景」を第150号まで発行した 鈴木 義雄 さん(82) 南花畑2丁目在住

掲載:2022年9月5日号
足立の文化の火を消すな、の一心で

 「この百景が続いてこれたのは、実はゴルフが縁なんですよ」――。開口一番、鈴木氏はニコニコしながらこう言った。
 「あだち百景」の前身「竹の塚百景」の創刊から第82号(平成17年秋号=10月1日発行)まで編集発行人としてやって来た菊地隆夫氏と鈴木氏の出会いは、地元のサウナオーナーが主催する懇親ゴルフ会に行くバスの中だったという。
 この話の中で、タウン誌の編集・発行人と印刷会社の責任者はお互いに関心を持つと同時に、気心がわかり、その後の展開へとつながっていく。
 菊地氏の病気がわかり、闘病の中で菊地氏に「百景」の発行を頼まれた。鈴木氏は「私は印刷所はやっているが、編集者ではないので無理」と一度は断ったものの、度重なる菊地氏の要請で、熱意に押され発行を引き受けた。
 時は絶好調のバブルがはじける時期。多くのスポンサーの悲鳴が聞こえ、少なからぬ影響が押し寄せた。だが、持ち前の頑張り精神を楽天的な気性で支える鈴木氏は踏ん張った。そして逆境を押し返した。
 「まあ、正直言って自分でもよくやって来たと思いますよ。『地域の文化のバロメーターになるタウン誌を作ろう』という菊地さんの強い思いを引き継ぎ、ここまで来ました。これは、自分のためではないんです。足立区大好きだから、足立区の文化の火を消すなの一心です」――。
 「この第150号を契機に、さらに皆んなに愛されるコミュニティ誌を目指したい」と言葉を継いだ。
 足立区東和生まれ。父親の仕事の関係で、茨城県下館市に育ち、台東区の印刷所に勤務後、総合企画印刷所のトータルプランニングスズキを設立、現在に至る。趣味は、ゴルフとちょっぴりの(?)お酒。
【メモ】TEL3858・2311「あだち百景」編集室