足立朝日

区外に足立区の魅力を ふるさと納税返礼品に「銭湯一番風呂」

掲載:2022年10月5日号
 足立区のふるさと納税に、新たな返礼品が大幅に追加された。その中のあるユニークな一品が、注目を集めている。銭湯の一番風呂を独占できる利用券だ。
 区では10月1日(土)から、寄附受入額を拡大、足立区の魅力を感じてもらえる返礼品を12品目から49品目増やし61品目とした。
 「銭湯一番風呂貸切入浴利用券」の返礼品が選べるのは、5万円以上の寄付。区内の銭湯を開店前の2時間、5人までの人数制限で貸し切りにできるというもので、全国でも初の試みではないかという。
 足立区浴場組合の山田知孝代表は、「店主たちは一番風呂が返礼品になるのかと不思議がっていたが、入りたいという声が多かった」と予想外の反響に驚いているとのこと。手ぶらで来てもらえるように、無料でバスタオルの貸し出しやドリンクのサービスがつく。
 のびのびとストレッチしたり、湯に浸かりながら鼻歌を歌って高い天井の響きを楽しんだり、普段の銭湯ではできない入浴を体験できそうだ。
 今回新たに加わった返礼品は今年5~6月、区が自社の製品やサービスをアピールしたい事業者を初めて公募し、72品目の応募から選定。プロモーション課は、「これまで知らなかった事業者とのつながりができた」と思わぬ副産物を喜ぶ。体験の返礼品は他にも、生物園の食事つきナイトツアー、ギャラクシティのプラネタリウム1時間貸切、人気の和食店での食事など様々。
 近年、ふるさと納税による都の税収流出が問題となっているが、足立区でも特別区民税が年々減少。今年度は20・7億円の減収見込みで、減収分の財源を確保することを目的としている。
 残念ながら、区民はふるさと納税返礼品の対象外。区外の知人、友人、親戚などに広めて、便乗する手もありそうだ。
 ふるさと納税の詳細は「ふるさとチョイス」「足立区」で検索。

写真/一番風呂を独り占めしたい。参考写真=曙湯(※区民は返礼対象外)