足立朝日

足立川柳会 会長 大野 征子 さん(77) 五反野地区在住

掲載:2022年10月5日号
全人格をもって誠実にパワフルに

 令和2年(2021)に逝去した「足立川柳会」前会長・廣島英一氏の後継者として、追悼大会(左記参照)で采配を振るった大野征子会長。主に関東を中心とした会員を有する「川柳人協会」の事務局長としても活躍中だ。
 大野ヒストリーは、情熱とパワーに満ち溢れている。某省庁で仕事に忙殺された霞ケ関時代にも、寸暇を惜しんで文化服装学院に通い、洋裁・服飾を習得。煎茶道松月流、生け花古流など日本文化にも真剣に向き合った。さらにフィナンシャル・プランナーや簿記の資格にも挑戦。定年を前にして「定年後もずっとできること」を模索する中、図書館で川柳募集のチラシを見て参加したことが、この道に入るきっかけとなった。
 五・七・五に乗せて、あらゆることを自由に表現できる世界に没頭するうちに、周囲からその人柄が信頼され、次々と責任ある立場へ。各吟社主催大会・出版社主催の誌上大会・ジュニア川柳などの選者として、定期的に数千首に向き合う他、原稿執筆など膨大な作業をこなす。
 川柳人協会が主催する川柳三神忌(花久忌、可有忌、川柳忌)や、川柳文化賞を授与する川柳界の一大イベント「川柳文化祭」の準備にも奔走。全人格をもって、誠実に活動する姿勢が評価され、令和2年(2020)には自身が「川柳文化賞」を受賞した。
 「川柳人口を増やす」課題を持つ大野会長は、現在、足立区生涯学習センター(学びピア21)で毎月第1・第3(火)午後2時~4時に開かれる「どんぐり川柳会」の第3(火)を担当。そこで育った受講者たちが、足立川柳会にも関わり、前述の追悼大会でも大活躍した。大野会長は、次のように感謝と抱負を語る。
 「私が自由に活動できるのは、家族の理解と協力があってこそ! 感謝しています。私は足立区が大好き! 川柳を作る楽しさを、まずは足立からすそ野を広げていきたいと考えています。皆さんが句会の日を楽しみにして待ち焦がれるような、足立川柳会にしたいと思います。川柳文化が永遠に続くよう、若い方たちが川柳という文芸に興味を持って入会してくださることを切に願っています」。最後に、闘病中の前会長を見舞った大野会長の、心に響く一句――。
 「お別れの握手感謝を包み込む」
 川柳を始めたい読者は、どんぐり川柳会・水野俊徳代表に問合せを。TEL090・5534・1375