足立朝日

郷土博物館で12月11日(日)まで 江戸時代を彩る文化 「琳派の花園 あだち」

掲載:2022年11月5日号
 足立区立郷土博物館で、10月9日(日)から、区制90周年記念特別展「琳派の花園 あだち」が開催されている。
 2010年から始まった足立区文化遺産調査によって、民家で眠っていた作品が数多く発掘された。これにより江戸時代後期、千住は琳派の絵師や文人たちの活動の場であり、多くの作品が生み出された文化的に豊かな町だったことが判明。
 今回の特別展は、この調査の成果の中から、主に千住の琳派作品を紹介。江戸琳派の祖とも言われる酒井抱一、抱一の高弟である鈴木其一、その門下で幕末から明治にかけて千住に住んでいた村越其栄・向栄親子、谷文晁に絵を学んだ江北地域の豪農・舩津文渕など、琳派の魅力が凝縮した展示となっている。
 開催前日の10月8日(土)には、作品の所有者や調査協力者、区外博物館関係者など約100人を招いて、博物館前庭でオープニングセレモニーとコンサートが開かれた。
 近藤やよい区長も駆けつけ「郷土博物館が出来た時には、足立区にこれほどの美術品が眠っているとは思わなかった」と絶賛。東京藝術大学の在学生によるサクソフォン四重奏が、「さくらさくら」をアレンジした曲を含む4曲を披露し、華を添えた。
 芸術の秋、足立の地で育まれた伸びやかな和の感性と魅力に触れてみてはいかが。展覧会サイトでは電子展覧会と音声ガイドも実施中。
【日時】12月11日(日)までの午前9時~午後5時(入館は4時半まで)、月曜休館
【場所】足立区立郷土博物館(JR「亀有駅」北口、千代田線「綾瀬駅」西口、TX「八潮駅」南口よりバス/無料駐車場あり)
【料金】一般200円(高校生以上)、70歳以上(要証明)・障害者手帳保持者と介助者1名無料※第2・3土曜は無料公開日
【問合せ】TEL3620・9393郷土博物館

写真上/オープニングセレモニー後の内覧会
下/東京芸大のサクソフォン四重奏