足立朝日

梅島の「美容室テルミー」田中千穂さん 「花嫁化粧着付」全国大会で1位獲得 新成人には「諦めないで夢を果たして!」とエール

掲載:2023年1月5日号
 11月8日(火)に群馬県高崎市で行われた「第50回全日本美容技術選手権大会」の「花嫁化粧着付」部門で、梅島2丁目「美容室テルミー」の田中千穂さん(47)が見事1位を獲得、日本大賞を受賞した。

◆千穂さんは3代目
 「テルミー」は、昭和30年(1955年)に千穂さんの祖母久江さんが開業、母の一美さん(75)が継ぎ、千穂さんは20年前にこの道に入った。
 梅島第一小学校、中・高・短大を出て栄養士になり、足立区の学校栄養士として働いていた。
 「子どもの頃は、美容師さんが5、6人いて皆住み込み。祖母は昔気質で『皆が先』と相手にしてもらえなかった」と話す。
 そんな千穂さんだったが、大好きな祖母は着付が得意で1月の成人式には、倒れんばかりにフル稼働。
 「このままでは着付をやる人がいなくなってしまう」と祖母の技を継ぐことを決意し、26歳の時に入店。
◆毎年のようにコンテストに参加
 「几帳面」を自認する千穂さんは、帯、着物、紐と道具をきちっと順に並べ、「綺麗に見える」着方を工夫。
 30歳の時に出た都大会「黒留袖」部門で優勝。次いで都大会「中振袖」部門で準優勝し、50人の各県代表が競う全国大会でも準優勝の金賞1位に。そしていよいよ最終目標の「花嫁化粧着付」部門挑戦へと向かう。平成27年(2015年)に全国大会「大振袖」部門で準優勝。
◆化粧着付の最高峰に挑む
 「白無垢の着付は日本の伝統衣装の最高峰」と3年前に神戸であった大会「花嫁化粧着付」部門に参加。しかし6位。「くやしい」と泣いた。
 大会はコロナ禍で2年中止となり、今年11月8日(火)3年ぶりの第50回大会。観客600人。千穂さんは、着付け界のトップモデル相沢和日子さんを相手に腕を振るった。その結果は、晴れの「日本大賞」を獲得! 大会を見守った都美容組合の先生は「作品に艶があった」と講評。滅多にないという250点満点だった。「うれしい。やっと獲れた!」と万歳。ずっと励まし支えてくれたスタッフの高野実紀さんらと抱き合って喜んだ。4回目の挑戦での「日本一」に「諦めないで良かった」と感激もひとしおだ。
 「おばあちゃんの夢を果たすことができた」と涙ぐんだ千穂さん。新成人には「すぐに結果が出せなくても、あきらめないで夢を果たして欲しい!」とエールを送る。
【メモ】「美容室テルミー」は、梅島2-18-6、TEL3886・4811。東武線「梅島駅」から徒歩7分。足立区の「二十歳の集い 2023」は1月9日(月・祝)、綾瀬にある東京武道館で午前11時~と午後2時~の2回に分けて行われる。

写真上/モデルの相沢さんを相手に最後の仕上げをする千穂さん(右)=高崎アリーナで
下/「日本大賞」を喜ぶ、左から千穂さん、高野さん、母の一美さん=「美容室テルミー」で