足立朝日

足立成和信金が官と支援 「千住まちづくりファンド」第1号 せんつく2完成オープン

掲載:2023年1月5日号
 前号1面で紹介した、空き家利活用の「せんつく2」(千住宮元町26-6)の完成発表会が、12月10日(土)、千寿青葉中(同27-6)で開催された。
 このプロジェクトは、足立成和信用金庫(土屋武司理事長)が、国交省の外郭団体・MINTO機構(一般財団法人民間都市開発推進機構)と連携して3月10日に設立した「千住まちづくりファンド」活用の第1号。
 地域コミュニティの場を再生するための支援を目的とした制度で、足立成和信金が千住北西部地区(千住大川町・千住寿町・千住柳町・千住中居町・千住龍田町)の空き家の多さを知り、名乗りを上げた。
 かつては都電の終点駅を中心に賑わっていたが、都電の廃止により事業所が減少するとともに商店街が衰退。都内有数の木造住宅密集地域でもあり、高齢化に伴い空き家が増加している。「北千住」のブランド力が生まれつつある一方で、駅から離れた国道4号以西エリアは、取り残されていると言える。
 そこで、地域コミュニティの交流の場として住民が魅力を感じる賑わいの再生を目的に、空き家や空き店舗をリノベーションするなどして活用する民間まちづくり事業に、投資しようというもの。ファンドの存続期間は2042年1月末までで、資金6000万円を足立成和信金と機構が半分ずつ出資する。
 現在、まちづくりファンドは全国で26件設立。都内は谷根千(谷中・根津・千駄木)に続いて2件目となる。
 発表会には同信金の土屋理事長、MINTO機構の渡邉浩司常務理事、近藤やよい区長、せんつく2の設計・プロジェクトを担った㈱ENJYOYMENTの青木公隆代表取締役、一般社団法人まちなか整備・管理機構の葛生貴昭代表理事が登壇。せんつく2へのそれぞれの思いを述べた。
 今回のファンド設立は地元からの要望を受けて決めたという土屋理事長は「地域活性化も信用金庫の役割」と第1号の完成を喜び、「第2、第3と進めていかなければならない」と意欲を語った。
 近藤区長は「空き家活用は、いざという時の治安の安心感にもなる。空き家の持ち主の刺激にもなれば」と効果の波及を期待。事業継続の必要性と、区の助成制度「まちづくりトラスト」活用も提案した。
 発表会終了後、青葉中の目の前にあるせんつく2に移動し、内覧会が行われた。

写真上/「せんつく2」の前で。(左から)葛生代表理事、近藤区長、青木代表、土屋理事長
下/リノベーション前の建物。築60年で防災面の課題があった