足立朝日

羅針盤 VOL.136

掲載:2023年1月5日号
 新年になった。兎年である。うさぎは、姿そのままにやさしくておとなしい。「平和」そのものである。昔、私が通う小学校で飼っていたのがうさぎ。ニンジンをあげていたが、可愛いかったなぁ。一方ちまたでは「敵基地攻撃」などという物騒な言葉が踊っている。何で?という言葉が繰り返される現実の世界。
 さて、そこでだ。兎年の今年はどうする?昨年一番印象に残った言葉が、W杯日本代表監督の森保氏が言った「過去は変えられないが、未来は変えられる」。これは先人の言葉からの引用だが、これほど人に勇気を与える言葉はない。
 そう、若い人も高齢者も、いくつになっても希望が持てるのは「未来があること」、かつそれが「変えられること」だ。1面の田中千穂さんのように、目標や夢を持ったら、どんなことがあっても、あきらめずに挑戦し続けることがより良い「未来」につながる――。
 先人の言葉をもう一つ。「未来を見る目を失い、現実に先んずるすべを忘れた人間。その行きつく先は、自然の破壊だ」(アルベルト・シュヴァイツアー)――。     (編集長)