足立朝日

「わんぱくシリーズ」の画家・松井純夫さん 地域交流「かどっこカフェ」に大作を寄贈

掲載:2023年3月5日号
 保塚町在住の画家、松井純夫さん(73)が、2月15日(水)、地域交流スペース「かどっこカフェ」(一ツ家2-4-3)に100号の大作を寄贈した。
 同所はデイサービス事業等を展開しているNPO法人スマイル・エイジングパートナー(荻田佳奈枝代表)が運営。「地域の役に立ちたい」と地域食堂、格安野菜販売、パントリー、脳の健康教室などを行っている。昨年7月、荻田さんの取り組みを知った松井さんから3点の油彩画が無償貸与され、カフェ利用者を和ませてきた。
 松井さんは、「季節ごとに展示替えをする時間がなかなかないので、ここのシンボル的なものにしてください、と大きい絵を寄贈しました」と話す。壁への設置は地元の企業、マルカツウォール㈱(青木正勝社長)がボランティアで担った。
 作品は人気の「わんぱくシリーズ」の『妙高遠望』。スケッチのために訪れた場所で「家の屋根と坂道のバランスに惹かれて描いた」。
 油彩ながら軽やかな印象の風景画は圧迫感なく室内に、秋色に包まれたのどかな農家のひとときを生み出す。老夫婦、放し飼いのニワトリや蝶とたわむれる黒猫、草そりに夢中になっている少年は松井さんの分身である「ぼく」と犬。
 荻田さんはしみじみ眺めながら「そこに行けそうな気がする。赤い屋根と赤い郵便受けから、いろいろ想像が膨らんだ」と目を細める。食堂を利用した子どもたちも大喜びで、学校帰りにガラス越しに見ていくという。
 カフェは閉まっていることもあるが「絵が観たいと言えば、開けますよ」とのこと。また隣ではコーヒーを1杯100円で地域の人に提供しており、カフェで絵を眺めながら飲むこともできる。コーヒーの売上の一部は社会福祉協議会に寄付している。
【メモ】かどっこカフェ=月~金・午前10時~午後4時(ただし火・水の午後1時半~2時半は健康教室と野菜販売、第4土は地域食堂に使用)、TEL5856・5722

写真/松井さん(右)が「かどっこカフェ」に寄贈した癒しの風景画の前で、荻田さんと