足立朝日

千住落語にウキウキ! 森鷗外をネタに 4月9日(日) 第2回開催

掲載:2023年3月5日号
 千住を舞台にした「千住落語」が動き出した。2月5日(日)、一昨年廃業した銭湯「大黒湯」の屋根を移築した安養院(千住5丁目)で、第1回千住落語会が行われ、関係者を含め、約80人が千住落語を堪能した。
 舞台がしつらえられた本堂で、最初に挨拶に立った内藤良家住職は「鎌倉時代に創建された千住で最古の寺のこの本堂では、これまでヨガのイベントをやったりしてきた。今度は『落語をやりたい』とのこと。大いに賛成です。この古き良き町が活性化するのは、この上ない喜び」と歓迎の言葉を述べた。
 記念すべき「千住落語」の初回に呼ばれた真打の落語家春風亭柏枝(48)さんは、枕で「千住を語る創作落語に緊張している」と話し、その後持ちネタの「禁酒番屋」、続いて芭蕉が登場する創作ネタを披露。「おくのほそ道」の旅で千住の宿にいる芭蕉が、「何を見に行くの?」と聞かれて「座敷童」と答えるが、その座敷童がすでに同じ千住の宿にいる、という滑稽話で客を沸かせた。
 この千住落語の仕掛人、杉浦謙治氏(68)は「ようやく動き出せて良かった。足立区内には大勢落語家がいるので、みんなで盛り上げたい」と話し、「千住文化普及会」の櫟原文夫代表(71)は「芭蕉の旅立ちは、旧暦の3月20日。いい見送りができた」と喜んだ。
 第2回は、4月9日(日)午後2時開演(1時開場)、同じ会場、同じ演者・春風亭柏枝で開催される。明治の文豪で、一時千住1丁目に住んでいたことがある青年時代の森鷗外とやっちゃ場(千住市場)での人々のふれあいを語る。
【メモ】▼落語会入場料=大人税込2000円、小・中学生同1000円▼定員=60人▼申込み=ホームページか電話。HP TEL080・5426・7238(藤井)▼申込み期間=3月31日(金)まで

写真上/創作落語を披露する春風亭柏枝さん=千住5丁目の安養院で
下/「千住落語、大歓迎」と話す内藤住職=同