足立朝日

タカラ湯を日光市がジャック 湯上りに縁側でかき氷

掲載:2023年3月5日号
 2月11日(土・祝)~19日(日)の期間限定で、タカラ湯(松本康一店主/千住元町27-1)が日光の魅力満載の「日光めぐり湯」となった。
 これまであまり注目されてこなかった市内各所の魅力を発信する栃木県日光市による取り組み「NEW DAY,NEW LIGHT.日光」の一環。首都圏に向けての観光プロモーションを展開する上で、東武鉄道1本で行ける「北千住」に白羽の矢が立った。
 近年は若い世代の銭湯利用が増えていること、またタカラ湯は宮造りのレトロな外観と日本庭園が知られていることから、今回の企画が決まった。
 入口の暖簾をはじめ、店内の掲示など日光づくしとなった。普段は富士山のペンキ絵がかかっている浴室には、日光の新たなスポットやルートを紹介した「Route.N」を掲示。女湯浴槽のペンギン親子のインテリアや壁面のタイル絵にも、漫画風の会話をデザインするなど、リラックスしながら情報を眺められる仕掛けが満載だった。
 また期間中、日光名物の天然氷を使った「真冬のかき氷屋さん」を、店内ロビーでオープン。現地の飲食店スタッフがその場で氷を削って県産の柚子や苺を使ったシロップをかけ、入浴客に各日先着で無料提供した。天然氷は自然の氷室で手間をかけて作られるため、かき氷にするとふんわりと舌触りが良く人気が高い。
 初日には開店と同時に多くの人が来店。常連の佐久間みどりさん(51)、達也さん(59)夫妻は「ふわふわだね」「うちでは作れないね」と縁側でかき氷に舌鼓。興野から母親と来たという小学生も、湯上りの1杯にニッコリ。
 日光市の粉川昭一市長は、「銭湯の浴室がこんなに明るいとは。北千住は電車で1本。ぜひ、お風呂に入りながら日光のおススメスポットをゆっくり見て、遊びに来てほしい」と笑顔で語った。夏の開催を模索する声もあり、実現に期待したい。

写真上/日光市一色になった浴室で松本店主(左)と粉川市長
下/縁側で天然氷のかき氷