足立朝日

羅針盤 VOL.138

掲載:2023年3月5日号
 3月に入った。
 本日3月5日(日)は、本紙の発行日。今頃は2月号で書いたように、毛長川につながる綾瀬川緑地で、早咲きの河津桜並木の若木70本への水やりの真っ最中だろう。小生の感覚では、「春は名のみの風の寒さや」と大正・昭和の唱歌「早春賦」に謳われた時期が3月の初めで、本日は多分そんな日になっているに違いない。
 「春」を待つ人々は、この日本に、そして世界にどのくらいいるのだろうか? ウクライナ然り、トルコ・シリア然り……。と思うと、おちおち花見酒に浮かれてはいられない。
 昔自分が子どもだったことを忘れた大人たちは、自然の脅威を忘れるどころか、命を奪う武器を磨き、揃えて、美酒に酔い平然としている。
 すべてのウクライナの子どもたちに「春」を届ける術はないのか? ウクライナの前線に立ちはだかる数十万の人間の鎖を作る知恵はないのか? 集合を呼びかける賢くて勇気のある大人はいないのか? それが出来ない自分にとって、眠れない夜は長くてつらい。ああ――。(編集長)