足立朝日

Vol.34 ネマニャ・ラドゥロヴィチ presents ドゥーブル・サンス

掲載:2023年3月5日号
自由な精神・連帯感で魂に響く演奏

 春のそよ風と共に、かつしかシンフォニーヒルズ・モーツァルトホールに登場するのは、「ネマニャ・ラドゥロヴィチ」。ロックスターのような風貌で、大胆なアレンジと歌心溢れる表現力でクラシック音楽を奏でる超絶技巧のヴァイオリニストだ。
 ネマニャが誕生した1985年のセルビア(旧ユーゴスラヴィア)は、分裂・独立の機運の高まりの最中で、内紛が絶えない時期であった。空爆と食糧難に苛まれながらも、7歳で音楽に目覚めたネマニャは、ドイツのザールラント州立音楽演劇大学、ベオグラード大学で学んだ後、14歳で渡仏。15歳でパリ国立高等音楽院に入学し、P・フォンタナローザに師事、さらにクレモナでS・アッカルドの指導を受ける等、研鑽を積む。
 2003年ハノーファー国際をはじめとする5つのコンクールで第1位を獲得する他受賞多数。また、セルビアのニシュ芸術大学から名誉博士号を贈られている。
 ミュンヘン・フィル、ベルリン・ドイツ響、ロイヤル・フィル、フランス国立放送フィル、ケルン放送響、ヘルシンキ・フィル、モントリオール響、エーテボリ響を含むオーケストラと共演する他、カーネギーホール、アムステルダム・コンセルトヘボウをはじめとする世界の主要コンサートホールの多くで公演を行う。また、自身の故郷・セルビアと第二の故郷・フランスの音楽仲間と共に結成したアンサンブル「ドゥーブル・サンス」(弦楽合奏+ピアノ&チェンバロ)との演奏活動も精力的に行っている。
 待望の葛飾公演は、このメンバーも集結! ネマニャの豊かで魔性を秘めた音楽性と演奏技術を堪能できることは勿論、ドゥーブル・サンスとの熱く心躍る演奏を体感できる。ネマニャはじめ各メンバーが、クラシックの様式美を深く理解しているからこそ可能な、自由な精神・連帯感に満ち溢れた幸せな演奏を聴衆に贈る。演奏曲は、ヴィヴァルディ:四季、セドラー:日本の春など。クラシックに馴染みのない者をも瞬時に魂を奪い虜にする演奏。ネマニャとドゥーブル・サンスとのスリリングなセッションを楽しめるチャンスは見逃せない!
【日時】4月21日(金)午後6時30分【料金】6800円、会員料金あり)【チケット】TEL5680・3333