足立朝日

服飾のリユース、試作品の廃棄ロスを目指す 平川 哲行 さん(43) 千住仲町在住

掲載:2023年3月5日号
洋服の廃棄ロスをなくし
業界に役立ちたい


 大量の服が毎日作られ、売られ、廃棄される時代だ。今回登場した平川さんは、インターネットによるアパレル(洋服)の委託販売サービスを展開している会社の代表。
 その平川さんは今アパレル業界で最も注目されている一人だ。それは、大半が廃棄されているアパレル業界の試作品を引き取り、再生し、委託販売する事業を始めたことが大きい。
 平川さんは、2013年に、洋服やバッグなどのインターネットオークションへの委託販売サービスをする会社「アントロワ」を千住に創業。その中で、メーカーの高級ブランドのようなファッション性が高い試作品の多くが廃棄されていることに気が付いた。
 その後、取引先のアパレル企業と協業してこれらを再生、自社ブランド「KOCHAMETTI(コチャメッティ)」として商品化した。
 2年前に千住仲町にショップ兼事務所を開き、これをヴィンテージ、USEDの洋服、雑貨などと一緒に売ると、客が集まるようになった。女性客の一人は「こんなにステキな洋服がこれほど安く買えるなんて感激!」と話した。
 平川さんは「試作品の多くは廃棄されてきたため、私たちが商品化することで、取引先デザイナーのモチベーションアップにもつながっていると聞いています」と話す。
 平川さんが、アパレル業界の救世主、フロントランナーになる日は案外近いかもしれない。
 宮城県仙台市生まれ。様々なアパレルブランドで10年修業。
【メモ】「アントロワ」の店舗兼事務所は、千住ミリオン通り商店街の中、千住仲町36-2。TEL6806・1093、Eメール