足立朝日

2年半をかけ動画完成 「らりるれロンドン」胸熱く

掲載:2023年6月5日号
 かつてシアター1010で上演され、多くの子どもたちに感動を与えたわらび座ミュージカル「銀河鉄道の夜」――。その主役ジョバンニを演じた窪寺杏さんが、後に「吾輩は狸である」に出演。同作品に客演したミュージカル俳優の留守晃さんとの共演をきっかけに2人は出会い、今、人生を共に歩んでいる。
 晃さんは、日本初演の東宝ミュージカル「ミス・サイゴン」で、故・本田美奈子さんが演じた主役キムの婚約者・トゥイや、「レ・ミゼラブル」で青年革命家・アンジョルラスを演じた芸歴の持ち主だ。駆け出しの頃、日本人の暮らしをテーマにしたミュージカル劇団「ふるさときゃらばん」で芝居を覚え、全国各地を巡演し、足立区でも公演したという縁がある。
 これまで厳しいオーディションを経て、各役をつかみ取ってきたが、決してその役は自分だけのものではないと晃さんは感じた。「人生には自分という役があった!」と原点に戻り、創作活動を再開。オリジナルソングでのライブ活動や得意な絵も活かし、アニメーションPV(プロモーションビデオ)創りに挑んだ。
 独学でパソコン作業を学び、アニメーションはじめ作詞・作曲・編曲・歌・ナレーションなど全ての工程を一人で行った。しかし、素人ゆえにデータが全て消えてしまうという失敗も。心折れながらもコツコツと作業を続け、2年半の歳月と命を懸けて「らりるれロンドン」を遂に完成! YouTubeにアップして映像が流れた時には、2人で涙して喜んだという。
 「らりるれロンドン」は日本の今を切り取った、ある夫婦の唄物語だ。人は誰しもが老い、病いを得る。しかし、こんなふうに誰かが支えてくれたなら、安心して命を全うできるだろう。幸せそうなお父さんとお母さんの姿に胸が熱くなる。
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写真上/2人の近影=吉祥寺・珈琲立吉で
中/「らりるれロンドン」のお父さん
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