足立朝日

第105回 全国高等学校 野球選手権大会 東東京大会 足立区初の甲子園出場を目指す 区内出場7高校 全チームを紹介

掲載:2023年7月5日号
 夢の甲子園目指して、いざ「決戦」だ!! 朝日新聞社と東京都高校野球連盟が主催する第105回全国高校野球選手権・東東京大会が、7月8日(土)から始まる。足立区から7校が出場するが、青井高校と足立東高校、足立工科高校の3校が、部員が足らず他区の高校と合同チームを組む。初戦校・日程・球場も決まった。恒例の出場各校の横顔を紹介する(掲載は順不同)。
目指すはもちろん1番
◆都立足立新田高校/新田2‐10‐16、TEL3914・4211【部員】45人(3年10人、2年20人、1年15人)【監督】有馬信夫(62)【キャプテン】矢嶋友翔(3年、内野手)

 エースの黒崎楓くん(3年)と岩本大夢くん(2年)のバッテリーで、春を戦ってきた。
 黒崎くんはストレート135㎞を投げる実力の持ち主だが、春先には投球に悩んだ時期も。4番も担う二刀流で、チームの期待を背負う。
 「今年の3年生は、おとなしくて淡々としている」と評する有馬監督は、体力面はもとより士気向上に力を注いでいる。もちろん「目指すのは1番」。

越えろ私立の壁 目指せ甲子園
◆都立足立西高校/江北5-7-1、TEL3898・7020【部員】32人(3年6人、2年11人、1年10人、マネージャー5人)【監督】芝英晃(47)【キャプテン】土井将真(3年、投手)

 一昨年は3回戦で関東一(江戸川)、昨年は2回戦で東亜学園(中野)に敗れ、私立の壁を越えられなかった。足立西ナインは今年こそ「足立区から初の甲子園」の夢に向かい、一致団結して夏の戦いへ。
 今年は秀でた選手はいないが、その分攻守にバランスのとれたチームだ。土井主将を中心に選手全員が練習通りの力を発揮できれば、接戦をものにできるはず。
 「試合にミスは付き物なので、そこで下を向かずにいかに平常心を保つかが大事」と芝監督。
 そのためにも、攻撃ではストライクとボールをしっかりと見分けて塁に出て、後続につなぐ。少ないチャンスをきっちりと生かす野球が勝利のカギだ。
 昭和鉄道(豊島)との初戦から神宮球場でプレーできる喜びを感じながら、1試合1試合に全力を出し切って、最高の夏にしたい。

チーム全員がキーマン
◆都立淵江高校/東保木間2-10-1、TEL3885・6971【部員】22人(3年4人、2年8人、1年6人、マネージャー4人)【監督】沖山敏広(58)【キャプテン】黒川愛埜(3年、投手)

 昨夏は初戦の学習院戦で延長タイブレークに突入し、14回裏にサヨナラ勝ちをする激闘を見せてくれた淵江。大会後から新たに沖山敏広監督が就任。高校、大学時代に内野手として活躍した沖山監督は今年のチームを「守備から試合を作って、守り勝つ野球をしたい」と話す。
 黒川主将を中心に4人の投手で継投しながら、しっかりとボールを投げ、無駄な失点をしない試合運びが理想。
 攻撃では長打力のある1番バッターの田口友聖くん(2年、内野手)がチームに勢いをもたらす。
 他にも急成長中の1年生コンビ、塩谷琉惺くん(1年、内野手)と小原寿徳くん(1年、捕手)の活躍にも期待。
 東(江東)との初戦は江戸川球場での試合のため、J:COMでの放送がある。「テレビに映るので、見ている人たちに『淵江で野球をやりたいな』と思ってもらえるような笑顔で楽しくプレーする姿を見せたい」と沖山監督。

チームとしてまとまる
◆足立学園/千住旭町40-24、TEL3888・5331【部員】36人(3年13人、2年9人、1年14人)【監督】塚本達也(37)【キャプテン】福田潤晴(3年、捕手)

 昨年秋はコロナ感染者が出て思うような練習が出来ず、春は3年生が前日まで修学旅行というタイミングで都大会に進めず、涙を飲んだ。「まだまだ未熟。ようやくチームとしてまとまって、方向性が見えてきたので、夏休みに向けて頑張っている」と塚本監督。ようやく部員たちに自信がつき始めたところだ。
 OBの長坂拓夢さん(24)が、プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの「埼玉武蔵ヒートベアーズ」の投手として、同校4人目のプロ選手になったばかりで、部員たちには励みになっている。

山田くん、早坂くんが投手の2枚看板
◆都立足立東高校/大谷田2‐3‐5、TEL3620・5991【部員】6人(3年1人、2年1人、1年4人)【監督】小松崎豊(40)【キャプテン】山田健太(3年、投手)

 同校は今年も人数が足りず、青井と蒲田(大田)、橘(墨田)との合同チームになった。
 小松崎監督は「4人の1年生は頑張る子が多く、力を出してくれると思う」と話す。
 キャプテンで投手の山田くん(3年)は、チームのムードメーカーで、投手としても制球力があって、スライダーが良く期待大。
 1年生の早坂雄太朗くんは125㎞の球を投げる投手で、ホームランが打てるバッターとしてもいい。
 練習通りのプレーをして、初戦突破できるか?

今年も他校と合同チーム
◆都立青井高校/青井1‐7‐35、TEL3848・2781【部員・キャプテン】1人(2年生)【監督】伊藤諒(31)

 3年連続で部員が足りず、今年はとうとう1人になった。
 足立東、大田区の蒲田、墨田区の橘との合同チームで戦う。
 ただ一人の選手柴原祥吾くん(写真左)は捕手だが、バッティングが良く「毎試合必ずヒットを打つ」と監督(同右)。
 何としても、初戦の小松川(江戸川)戦に出場したい、と頑張っている。

連合チームでも全力プレーで魅せる
◆都立足立工科高校/西新井4-30-1、TEL3899・1196【部員・キャプテン】1人(2年生)【監督】松橋剛(51)

 今年4月から校名が足立工業から足立工科になった同校は、部員数が1人のため桐ヶ丘(北)、三商(江東)、千早(豊島)との4校連合チームで試合に挑む。
 唯一の部員である小川翔大くん(2年、内野手)は、5年ぶりに現場復帰した松橋監督と二人三脚で日々練習している。
 小さい頃からサッカーをしていたため野球は高校から始めた小川くん。実はお父さんも高校時代に松橋監督の指導を受けており、親子二代で野球を教わっている。
 昨年は大会前にフライの捕球ミスで骨折し、何とかケガを完治して大会に出場。今年こそは万全な状態で挑みたかったが、6月初めの練習試合でヘッドスライディングをして、また手指を骨折してしまった。
 試合に間に合うかは微妙だが、もし試合に出られたら「チームのために全力でプレーしたい」と小川くん。